ここから本文です

「誰でもできる」実習先は「除染」現場だった ベトナム人青年が見た日本の明暗 最後に日本人と交わした酒

11/18(日) 14:00配信

withnews

【#となりの外国人】
 外国人の労働者の受け入れを拡大する新制度の国会審議が進んでいます。注目されているのは技能実習生。本来の目的は日本で働きながら技能を身につける「途上国への技術移転」。実際には農業や漁業、建設など人手不足の現場で、日本社会を支えるために働いています。一方で「実習先」によっては「地獄」を見る実習生もいます。夢見た日本の実習先が「除染」現場だった――。とあるベトナム人青年の運命をたどりました。(朝日新聞機動特派員・織田一)

【写真で見る】ベトナム人青年が告発した「除染作業」とは

「日本に行けば……」ハノイの街角で見た夢

 9月21日夕、1人のベトナム人の若者が東京・羽田空港から帰国しました。グエン・ドク・カインさん(25)。外国人技能実習生として来日し、東北地方で3年を過ごしました。
 「初めての日本でした。楽しいこともあった。不安になることもあった。3年は早かったな」。そう振り返って、ベトナムに向かう飛行機に乗り込みました。

 カインさんと私が初めて会ったのは3月。「全統一労働組合」(東京・上野)から、「東京電力福島第一原発事故に伴う除染作業を強いられた外国人実習生がいる」と聞いて、引き合わせてもらいました。

 身長170センチの細身で、髪を金髪に染めた青年。スマホで撮った作業の写真を見せながら、たどたどしい日本語で話してくれました。

 始まりは1枚のポスターでした。
 3年前の2015年3月。ハノイの街角。高校を卒業し、建設業で働いていたカインさんは、そのポスターから目が離せませんでした。
 「日本に行けば稼げる。行きたい人は連絡して」

 技能実習生は現地の「送り出し機関」と呼ばれる人材派遣会社を通して、日本に来ます。カインさんが見つけたのは実習生募集のポスターでした。

 派遣会社は、出発前に、日本の実習先(企業)が求める技能や日本語を教えます。その代わり、高額の授業料や手数料をとります。カインさんは「160万円払った」と言います。約100万円を銀行から借りました。「稼げると思ったし、日本にも関心があった」

1/5ページ

最終更新:11/19(月) 0:42
withnews

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ