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世界初の国際海底探査レース、開催の背景に石油業界の思惑

11/18(日) 12:08配信

ニュースイッチ

メーンスポンサーは米石油大手のシェル、日本チームも参加

 賞金総額700万ドル(約8億円)をかけた世界初の海底探査の国際レース決勝が11月からギリシャ・カラマタ沖で始まった。自律型海中ロボット(AUV)などの潜水機を利用し、水深4000メートルの広範囲な海底地図を作る。日本からも海洋研究開発機構が中核の探査チーム「Team KUROSHIO(チームクロシオ)」が参加、12月からの現場海域投入を待つ。

 「アジアで唯一決勝に勝ち残った。結果を残し、期待に応えたい」。チームクロシオ共同代表の一人、海洋機構の中谷武志技術研究員はそう意気込む。

 国際海底探査競技「シェル・オーシャン・ディスカバリー・Xプライズ」は、月探査レースを手がけた米Xプライズ財団が主催。チームクロシオは、2017年11月―18年1月にかけて行われた19チーム参加の予選を突破した。決勝戦は11、12月にかけて実施する。

 日本に加え、米欧などの8チームが参加。各チームは、水中グライダーや水中飛行ロボット(ドローン)などさまざまな手法で海底探査に挑む。

 チームクロシオは、全長約6メートルのAUV2機と無人の洋上中継器(ASV)1機を連携・同時運用するという世界でも前例のない調査システムを採用。12月9日から19日の間の24時間で海底を探査する。

 AUVは設定したルートに従い、自律的に海中を調査。水中では光が短い距離でしか届かないため、ソナー(音波)で海底の測位や通信を行う。ASVは、海中のAUVの位置や速度を計測し、得た計測データを衛星回線で陸上に送る。

 海洋機構のほか、東京大学生産技術研究所、九州工業大学、海上・港湾・航空技術研究所、三井E&S造船(東京都中央区)、日本海洋事業(神奈川県横須賀市)、KDDI総合研究所(埼玉県ふじみ野市)、ヤマハ発動機の計8機関で構成する。

 現場海域では有人の支援母船は使えず、海域に人は立ち入れない。現場での探査は衛星回線を通じ、すべてロボットが行う。水深4000メートル下の深海域で24時間以内に、250平方キロメートル以上という東京ドーム約5000個分の海底域を調査し、海底標的を10枚撮影する必要がある。

 さらに調査終了後48時間以内に水平方向5メートル、垂直方向50センチメートルの空間解像度で3次元海底地形図を作成し、8チームがその正確さを競う。結果は19年3月に発表される。

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最終更新:11/18(日) 12:08
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