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「実習生が逃げていく島」町民があえて監視しない理由 「SIMカード買ったら終わり」沖永良部のあきらめ

11/19(月) 14:06配信

withnews

【#となりの外国人】
 鹿児島市から飛行機で南に1時間ほどの沖永良部島は、花の島だ。年間平均は気温22度。距離も風土も、沖縄に近い。私は今秋、別の取材でこの島を訪れたとき、主要産業の花栽培農家から外国人実習生にまつわる思いがけない話を聞いた。「SIMカードを買ったらおしまい」。実習生が次々と失踪するのに、空港や港には監視を置かない理由。そこには全国の過疎地に共通する苦悩が、くっきりと映し出されていた。(朝日新聞記者・堀内京子)

【画像】失踪する実習生が使う空港、わかっていても……監視をする町民はいない

「島には戻らない」マスクの意味は

 青い空にハイビスカスの赤が映える沖永良部島。サトウキビ畑の中にある何軒かの花農家を、私がレンタカーで訪ねたのは、9月中旬の土曜日だった。お彼岸用の花の需要期を迎え、ベトナム人実習生たちが黙々と、黄色いソリダゴの花の出荷作業をしていた。

 花と水があふれる昼下がりの作業場はのどかに見えた。だが花農家を営む女性は、ベトナム人実習生たちに目をやりながらつぶやいた。

 「今も、よくない雰囲気あるでしょう」

 彼女が恐れているのは、実習生たちの失踪だ。彼女は7年前のある出来事を振り返った。

 その日、彼女は沖永良部島から鹿児島に向かう飛行機に乗っていた。自分のところで受け入れていた中国人実習生の女の子と一緒だった。実習期間がほぼ終わり、帰国の日が近づいていた。まじめに働いていたごほうびに楽しい思い出をと、東京ディズニーランドに連れていく途中だった。

 その飛行機がエンジントラブルで、途中の喜界島に緊急着陸したのだ。

 予定外の足止めで、乗客は全員、待合室に通された。そこで女性は、別の中国人実習生らしい女子に気がついた。

 どこかで見かけたことがある気もするけれど、大きなマスクをかけていて顔がよく分からない。島で見かける実習生全員に、親のような気持ちでみていた彼女は、思わず、「どこの子?」と声をかけた。

 「○○の伊集院さんのところの実習生」
 「伊集院さん? 今、忙しいはずだけど」
 「有休で、東京に友だちに会いに行くんです」

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最終更新:11/26(月) 20:07
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