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「顔の差別で人は死ぬ」 あざ・まひ・傷の痕…ユニークフェイスの闘い「顔にペンキをぬって歩けますか?」

11/23(金) 7:00配信

withnews

 顔の変形やあざ、まひ、傷の痕……。普通とは異なる顔を持つ人たちを支援し、「容貌(ようぼう)差別」を20年前に世の中に問うた男性がいます。石井政之さん(53)。当事者の自助組織「ユニークフェイス」の創始者です。11年前に活動から身を引きましたが、ことし9月に再び活動を開始。石井さんは、「顔の差別で人は死ぬ」と訴えます。(朝日新聞文化くらし報道部記者・岩井建樹)

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「もう一度、苦しんでいる人に寄り添いたい」

 愛知県の豊橋駅で10月下旬、石井さんと会いました。石井さんの顔の右側には大きな赤あざ。思わず目線を向けてしまいました。まるで、地図のように見えます。

 その後、顔にまひがある女子大学生と合流。「就活で顔について聞かれたらどうしよう」という女性の不安に、石井さんは耳を傾け、「しどろもどろになっちゃいけない。想定質問をつくり、はきはきと答えよう。印象が違うよ」と、アドバイスを送っていました。石井さんが9月から開いている交流会の一場面です。

 11年の時を経て、なぜ活動を再開したのでしょうか? 理由を尋ねると、石井さんは一瞬、鋭い目線を向け、よどみない口調で語りました。

 「私の力不足で、ユニークフェイスの活動が停滞し、顔の差別で苦しんでいる人たちに最後まで手を差し伸べることができませんでした。その悔いがあり、もう一度、苦しんでいる人に寄り添いたいと思いました」

自殺した子の親から手紙

 石井さんが1999年に東京で立ち上げた自助組織「ユニークフェイス」(後にNPO法人化)は、「固有の顔」という意味で、当事者を指す言葉としても使われています。容貌差別を解決しようとする初の団体として、全国的に注目されました。会員は300人を超えました。

 石井さんはもともと、フリージャーナリストでした。団体を立ち上げる前、自らの差別体験を描いた著書「顔面漂流記」を出版すると、反響は大きく、段ボール2箱分の手紙が届きました。いじめを受けた告白など壮絶な体験が記されており、自殺した子の親からも手紙が来ました。

 「普通の外見でも、いじめられる子がいる世の中で、顔が普通と違えば、格好のいじめの対象になる事実があります。顔の差別で人は死にます。この問題に本気で取り組もうと思い、団体を立ち上げました」

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最終更新:11/23(金) 16:37
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