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幻の「焼酎銀行」 列車乗り継ぎたどりついた金庫にあったものは……舌の上でさらりと消え、鼻に抜ける風味

11/29(木) 7:02配信

withnews

 高知県に赴任して初めて栗焼酎を飲んだ時のこと。甘い香りと風味のとりこになりました。日本酒と米焼酎が大好きで、毎晩2合は欠かさず飲んでいた私ですが、今ではすっかり栗焼酎派に。そんなある日、「高知には焼酎銀行があるらしい」という情報が入りました。お店は本物の「銀行」の建物。「年利5%相当」という高利回り。酒好きと言われる高知ですが、ついに「銀行」まで? うわさを確かめるため、四万十川を西へ向いました。(朝日新聞高知総局・菅沢百恵)

【写真特集】「焼酎銀行」金庫室にあったのは……頭取室には焼酎のつぼがずらり 「預貯酎」の通帳も本格的

銀行の建物で熟成

 ユニークな「銀行」の名前は「四万十川焼酎銀行」。高知県四万十町の酒造メーカー、無手無冠(むてむか)が運営する栗焼酎専門の「銀行」です。

 「銀行」と言ってもお金を預かるわけではありません。預かるのはプレミアムな栗焼酎です。焼酎は預貯金ならぬ「預貯酎」(よちょちゅう)と呼ばれ、昔実際に銀行として使われていた建物で熟成されます。

 JR土讃線・高知駅から特急列車で西に向かいます。約1時間で窪川駅に到着して、ここで乗り換えます。窪川駅からは普通列車で約25分。JR予土線・土佐大正駅が最寄り駅です。

 「うわさの預貯酎は一体どんな味なんだろうか」。高知駅で購入した焼きさば寿司を食べながら、思いをはせます。「この寿司も栗焼酎に合いそうだ」。のどが渇いてきました。

列車を乗り継ぎ2時間

 四万十川焼酎銀行があるのは、高知県西南部にある四万十町の大正地区。山あいに位置する緑豊かな里です。高知市からは列車を乗り継いで計2時間余りかかります。

 土佐大正駅からメイン通りを北に数分歩くと、一角に四万十川焼酎銀行の看板が見えてきます。昔は高知銀行大正支店として使われていた建物だそうです。

 焼酎の管理や販売を担当する「行員」の橋本琴恵さん(35)が案内してくれました。

 窓口のカウンターの中に入ると、右奥に焼酎を寝かせる金庫があります。扉は厚さ21センチの金属製。動かそうとしてみましたが、なかなか重い。片手では大変でしたが、橋本さんは「慣れればできます」とにっこり。

 顧客が預け入れた焼酎は美濃焼のつぼに入れられ、この厳重な金庫で3年の長い眠りにつきます。昔は実際にお金が保管されていたそうで、金運が上がるような気がしました。

 金庫のすぐ近くには、「頭取室」と書かれた看板の部屋があります。中には鍵がかかった書庫があり、ここにも箱に入った焼酎のつぼがずらりと並んでいます。書庫には2年以下の預け入れや、発送を控えた焼酎が貯蔵されています。

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最終更新:11/29(木) 7:02
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