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「人を見る目が養われましたね」乙武洋匡が“頼りつづけてきた人生”で手に入れたもの

11/22(木) 12:00配信

新R25

仕事でもプライベートでも、「誰かに頼る」ことが苦手な人って多いんじゃないしょうか? 「こんなことをお願いしたら嫌がられてしまうんじゃないか」と気になったり。

でも、生まれつき手足がなかった乙武さんは、「人に頼らないと生きていけない人生」を歩んできました。彼は“頼る”ということについてどう考え、どういう気持ちでまわりの人とコミュニケーションをとっているのでしょうか?

本人に直接話を聞くと、「頼ることで手に入れたものがある」ということを教えてくれました。

〈聞き手:宮内麻希(新R25編集部)〉

「頼りつづけることはしんどい」と悩んでいた乙武さんをラクにしてくれた考え方

宮内:
今回の取材テーマは“頼る力”なのですが、乙武さんはこれまで誰かに頼るとき、もどかしさを感じたことはなかったのでしょうか?

乙武さん:
昔はありましたね。

「継続的に人に頼らざるを得ない状態」というのは、頼る側もストレスになって、結構しんどかったりするんですよ。

宮内:
それでも、乙武さんの場合は頼りつづけないと日常生活が送れないわけじゃないですか。

そういった葛藤についてはどのように折り合いをつけていたんでしょうか?

乙武さん:
小学校高学年になって、自分が頼ることにそこまで罪悪感を感じなくてもいい方法を見つけられたんです。

5年生で新たに担任になった先生から、「お前は無理してみんなと同じことをやらなくていいから、代わりに他のことで何ができるかを考えてみろ」と言われたんですよ。

宮内:
それってたとえば、どんなことだったんでしょう?

乙武さん:
たとえば、掃除の時間。

それまでは、短い腕を使って必死でほうきを使ったり、ズボンをびしょびしょにしながら雑巾がけをしていたんです。でも、先生が「掃除はやらなくていいから、ほかのことでクラスに貢献しろ」と。

それで私は掃除の代わりに、ワープロを使って時間割とか給食当番表といった教室の掲示物を作成する担当になったんです。

宮内:
その先生のご指導が、乙武さんの考え方を変えるきっかけになったと。

乙武さん:
そうですね。物理的なことがほかの人よりできないのはこの身体だからしょうがない。

その代わり、ほかの人が苦手だったり、できなかったりすることを積極的にやっていけばいいんだと。

そう思えるようになってから、自分でも驚くほど気持ちがラクになったんですよね。

できないぶんは、代わりのことで役立てばいいんだ。シンプルじゃんって。

宮内:
以前インタビューで「乙武さんはなぜモテるのか」という質問に対して似たようなことを回答されていたのも印象的でした。

女性にモテると思ったことは一度もないですが、ただ、小さい時から人にやってもらうことの方が圧倒的に多く、自分は相手に何ができるんだろうと考えるクセがついたのがプラスに働いているのかもしれません。
出典https://www.hochi.co.jp

乙武さん:
だから今も、飲み会のときなんかは積極的に幹事をやってます。

どんなに小さくても自分がちゃんとできることを見つけて、そこで貢献していけばそこまで劣等感に苛まれる必要もないんですよ。

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最終更新:11/22(木) 12:00
新R25

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