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ゴーン氏にかけられた容疑、「有価証券報告書の虚偽記載」って何?

11/22(木) 17:07配信

THE PAGE

 日産のカルロス・ゴーン会長が逮捕されるという衝撃的な事件が発生しました。ゴーン容疑者には有価証券報告書に虚偽の記載をしたという疑いがかけられていますが、これはどのような罪なのでしょうか。

 日産は株式を上場していますから、誰でも自由に日産の株式を購入して、日産の株主になることができます。株式会社の場合、株主は会社の所有者であり、日産が持つ資産は、すべて株主のものです。したがって株主は、経営者や従業員が不正なお金の使い方をしていないかチェックする権利があります。会社は株主に対して、経営者がいくら報酬をもらっているのかについても説明する義務があり、こうした情報を記載しているのが有価証券報告書です。

 日産はゴーン容疑者が実際はもっとたくさんの報酬をもらっていたにもかかわらず、投資家に対しては少ない金額を報告していました。つまり有価証券報告書に実際とは異なる数字を載せていたわけですから、これが虚偽記載に該当します。

 世の中では今回の容疑を脱税と勘違いしている人が多いようですが、今のところ脱税の容疑がかけられているわけではありません(余罪がある可能性は残されています)。あくまで投資家に説明した数字と、実際に受け取っていた額が違うというところが容疑のポイントです。

 現実には、経営者が実際にもらっていた報酬と投資家に説明した数字が違っていても、投資家が多大な損失を被るわけではありません。しかしながら法律は、株式会社の所有者は株主であると明確に定めています。日本では、会社は経営者や従業員のものという認識が強いのですが、会社が株主の持ち物である以上、経営陣が事実と異なる数字を投資家に報告することはあってはなりません。このため有価証券報告書の虚偽記載を行った場合には法律で処罰されることになります。

 もっとも有価証券報告書を発行するのは会社であって、ゴーン容疑者個人ではありません。したがって仮にゴーン容疑者がウソの報告をするよう指示した場合には、多数の関係者がこれに荷担しなければ実現しないと考えるのが自然です。

 今回の逮捕には司法取引が用いられたという話も出ていますから、全容が解明されなければ実際のところは分かりませんが、今回逮捕された2名以外にもこの案件に関わり、何らかの利益を得ていた人物がいる可能性は否定できないでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:11/22(木) 17:07
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