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『ポケモンGO』でRTA(リアル登山アタック)が流行中。剱岳や八甲田山にあるポケストップへの挑戦をRTA風の動画に仕上げる

2018/11/22(木) 18:04配信

電ファミニコゲーマー

 ニコニコ動画では以前から登山愛好家たちが「ニコニコ登山部」というタグやコミュニティを作っており、登山する様子を撮影した動画や写真をアップして楽しんできた。しかし、最近では『Pokémon GO』(以下、ポケモンGO)のRTA(リアルタイムアタック)と称して、登山口から山頂までの道のりを写真や動画で撮影し投稿する謎の「RTA」(リアル登山アタック)が流行中である。

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 『Pokémon GO』はそもそもクリア目標を定めづらいゲームであり、特定のポケモンを集めるといったタイムアタックもプレイヤーが住む土地によって大きく違うため、RTAのレギュレーションを制定し辛いタイトルだ。しかしRTA(リアル登山アタック)の挑戦者たちは、そんな同作の位置機能を使いつつ、山頂にあるポケストップを目指すと称して登山に挑んでいる。

 RTA(リアル登山アタック)は、ニコニコ動画においてRTA動画に革新を巻き起こしたbiim兄貴の「biimシステム」と呼ばれる映像編集を加えた山登りの映像だ。「biimシステム」ではRTA映像にsofttalkでのゆっくり実況声などとテキスト解説を加えており、リアルタイムでゲームの画面を視聴者に見せつつ、ゲーム外の情報も並行して届けることに成功している。海外のRTAシーンでもあまり見られない手法で、日本の独自のインターネット文化とともに広まってきた。【ゆっくり】ポケモンGO 剱岳山頂ジム攻略RTA(前半)

【ゆっくり】ポケモンGO 剱岳山頂ジム攻略RTA(後半)

 ことのはじまりは、2017年4月に京野七番さんが投稿した動画『【ゆっくり】ポケモンGO 剱岳山頂ジム攻略RTA(前半)』。剱岳山頂に『ポケモンGO』のジムが存在するため、それを制覇するために山登りする動画だ。ARを駆使する『ポケモンGO』のRTAならば、「現実世界こそが走破すべきゲーム空間」という視点が新しい。しかも場所は命がけの切り立った山であるから、緊張感はなおさらだ。【ゆっくり】ポケモンGO 剱岳山頂ジム攻略RTA(前半)

 登山道を連続的に撮影した写真によって、視聴者は本当に登山しているかのような気分にさせてくれる。京野七番さんは年季の入った登山経験者のようで、本格的な登山がどういったものなのか、そのハウツー動画としての役に立つ。

 RTA解説動画風なので、面白おかしい語り口だが、京野七番さんは登山というものが命や怪我のリスクがあることを強調するのも忘れない。入念な下準備、山や登山に対する知識、自分の実力に合わせて引き返すときは引き返すという心がけ、もちろん登山の危険性だけでなく、撮影するリスクもある。RTA(リアル登山アタック)は面白い動画だが、くれぐれも素人が安易に真似してはけないことを教えてくれる。

【RTA】ポケモンGO冬の八甲田山頂攻略(前半)3:07:31

 その後、しばらく間があき、2018年2月にrestniconicoさんがこのスタイルを踏襲した『【RTA】ポケモンGO冬の八甲田山頂攻略(前半)3:07:31』を投稿。八甲田山に挑戦した。

 京野七番さんと、restniconicoさんが断続的に違う山に挑戦した動画がアップしていくと、ほかにも「RTA(リアル登山アタック)」に挑戦する人はあらわれはじめ、現在ではさまざまな山に挑戦する動画が観られる。その動画数はすでに100本を超えている。

 なお、これらの動画タイトルには走破タイムが書かれているが、あくまでこれはRTA風のフレーバーであり、実際にタイムアタックを競いあっているわけではない。また投稿されている動画には電波が届かない山もあり、必ずしも『ポケモンGO』は必須ではないようである。

 要するに『ポケモンGO』RTAと称した登山をするという愉快かつ真剣なジョークであり、真に受けて軽い気持ちで挑戦してしまわないようにしたい。

 現実をゲーム的に捉える『ポケモンGO』ならではRTA(リアル登山アタック)は、ゲーム文化が生み出した新しい現実の認識の仕方だ。これらに影響を受けて、新たな動画は投稿されるだろうし、それ以外にも現実の世界をゲーム的に捉えなおす発想が生まれてくるかもしれない。とはいえ、ヒートアップして過激にならぬよう、あくまで安全と周りの人に迷惑にならぬよう気を配りつつ楽しんでいきたい。

文/福山幸司
編集/ishigenn

電ファミニコゲーマー:ishigenn

最終更新:2018/11/22(木) 18:04
電ファミニコゲーマー

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