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政府ぐるみの“米密輸”で後の「満州太郎」につながる損 山下太郎(中)

11/23(金) 15:50配信 有料

THE PAGE

 日本初の「日の丸油田」を開発した「アラビア石油」。この会社を設立し、油田を掘り当てたのが大正から昭和にかけて活躍した実業家の山下太郎です。「満州」「アラビア」など実業にまつわるキーワードのほかに、「山師」「怪物」のような異名も持つ山下は、その後の日本経済界に影響を与える大物たちとの人脈に恵まれました。時の大臣に取り入り、“政府ぐるみ”の米の密輸を首謀、しかし米相場は暴落――。しかしその時の山下の対応は、その後の“満州太郎”につながる「損」となりました。市場経済研究所の鍋島高明さんが解説します。

 3回連載「投資家の美学」山下太郎編の2回目です。

 日本経済新聞社がまとめた「無から始めた男たち」には、明治以降の経済巨人50人が収録されている。山下太郎については以下のように記されている。

「けた外れの野心と行動力で海底油田を一発で掘り当てた男。アラビア石油を創業、海外石油開発に先鞭をつけたのが『山師』と呼ばれた山下太郎である。無謀にも思えた彼の壮大な事業。それを後押ししたのは、戦争中に『油の一滴は血の一滴』を痛感、石油時代を見越して自主資源の確保を夢見た男たちのロマンと情熱であった。……社長在任中に倒れるが、死ぬまで自宅の病床で経営の指揮をとった。軌道に乗った会社を育てる調整型ではなく、創意、機略、駆け引きを得意とし、夢と冒険にかける乱世型経営者であった」

 第2次世界大戦後のアラビア油田の開発という破天荒な事業のゆえに、戦前の満州での獅子奮迅の活躍が忘れられがちになる。だが、満州で冒険心が培われたことが、後の石油開発の成功につながっていることを見逃すわけにはいかない。 本文:2,206文字 この記事の続きをお読みいただくには、THE PAGE プラスの購入が必要です。

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最終更新:11/23(金) 15:53
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