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徴用工判決は的外れだ! 韓国側3つの反論を検証する

11/23(金) 17:31配信

FNN PRIME

新日鉄住金に賠償を命じる判決が確定

10月30日、先の大戦中に製鉄所で強制労働させられたと主張する韓国人4人が、新日鉄住金に損害賠償を求めた裁判の判決が言い渡された。ご案内の通り、韓国大法院(日本の最高裁にあたる)は、新日鉄住金に日本円で約4000万円を支払うよう命じる判決を言い渡し、確定した。

【画像】事態打開の責任は100%韓国政府にある…

日本政府は、1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場だが、大法院は「日本による植民地支配は違法であり、違法な強制労働に対する個人の損害賠償は請求権協定に含まれない」などと判断したのだ。日本政府は強く反発して韓国政府に対応を要求。新日鉄住金には賠償に応じないよう求めた。

一方韓国メディアや識者からは、この日本の対応について反論が出てきている。その反論が的を射たものなのか、検証する。

反論1の検証

反論1:日本は元徴用工の個人請求権があると以前から認めていたのだから、判決に従え
この反論が現在最もポピュラーなものだ。一部の報道が、今回の判決について「初めて元徴用工の個人請求権を認める判決が確定した」という記事を書いたため、「日本がこれまで認めていなかった個人請求権を韓国最高裁が認めた」と認識した人がいたかもしれない。韓国メディアは、1991年に当時の柳井俊二・外務省条約局長が国会審議で「(日韓請求権協定は)個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたものではない」と答弁していた事を取り上げ、「日本は個人請求権が消滅していないと自ら発言していたではないか!」と考えたのか、日本政府の「すでに解決済みだ」との反論を、「詭弁だ(韓国・中央日報)」と批判したのだ。さらに、日本からは経済援助だけで賠償を受け取っていないとも反論する。1965年の国会審議で、当時の椎名悦三郎外相が「経済協力というのは純然たる経済協力でなくて、これは賠償の意味を持っておるものだというように解釈する人があるのでありますが、法律上は、何らとの間に関係はございません」と答弁している事も、根拠の1つだ。しかし、この反論は的外れだ。日本政府は今に至るまで一貫して「元徴用工の個人請求権は消滅していない」という立場だからだ。より詳細に言えば、「個人請求権は消滅していないが、その権利は裁判で救済されないもの」という立場だ。この主張はやや分かりにくいので説明する。
「請求権はあるが救済されない」とは?
法律的な話になるが、まずは日韓請求権協定の当該条文を紹介する。

日韓請求権協定2条1項より抜粋

1.両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、(中略)完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。

この条文によって消滅したのは、財産的価値が認められる権利だけだと請求権協定の議事録には明記されている。平たく言えば、財産(土地や建物など)、権利(徴用工の被害補償など)、利益だけが消滅するのだ。つまり、請求する権利という財産価値を含まない権利は消滅していない。しかし、この請求権で相手国や国民(法人含む)に請求しても、請求権協定により財産的権利が相互に消滅しているので、請求に応じる義務がなくなっている。だから「請求権はあるが、救済されない」のだ。こうした法律の話は難しいが重要なポイントだ。しかし多くの韓国メディアは正しく理解できていない。

そして、このような法律的な事実に加えて、道義的にも大法院判決や韓国メディアの反論は間違っている事が、国交正常化交渉をひも解くことで見えてくる。

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最終更新:11/23(金) 19:55
FNN PRIME

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