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YOSHIKI、魂の演奏 壮絶な人生の物語を追体験した濃密な『YOSHIKI CLASSICAL』

11/24(土) 13:00配信

エキサイトミュージック

■YOSHIKI CLASSICAL 2018 ~紫に染まった夜~YOSHIKI with Philharmonic Orchestra
2018.11.15(THU) at 東京国際フォーラム ホールA

YOSHIKIが自らのルーツであるクラシック音楽と向き合い、2014年から世界で繰り広げて来たコンサート『YOSHIKI CLASSICAL』。2017年1月のアメリカ・カーネギーホール公演以来の凱旋公演となる『YOSHIKI CLASSICAL 2018~紫に染まった夜~YOSHIKI with Philharmonic Orchestra』が、11月12日(月)・15日(木)の2日間にわたり東京国際フォーラムで行われ、48名から成るオーケストラと共演した。12日は世界的ソプラノ歌手サラ・ブライトマンが登場。レポートするのは15日、HYDEがスペシャルゲストとして登場し、新曲「RED SWAN」の共演で5,000人の観客を魅了した一夜である。

YOSHIKIがこれまでに手掛けたX JAPAN及び提供曲群を中心に、オーケストラアレンジで表現したこのコンサート。二部構成で行われ、ACT 1は、オーケストラのみの演奏による「I'LL BE YOUR LOVE」(2005年『愛・地球博』公式テーマソング。当時、YOSHIKIは開会式で指揮)で幕開けた。スクリーンには、海外のTV番組に出演した様子やプライベート・ジェットでの移動風景、X JAPANとしてのマディソン・スクエアガーデンやウェンブリースタジアム公演など、華々しいキャリアを示す映像が流れ、このクラシックコンサートへ至る道程を辿る。すると、純白のロングジャケット姿のYOSHIKIが姿を現し、グランドピアノの前に着席。ブルーのライトに染まったステージで披露したのはX JAPANの「THE LAST SONG」。まずはYOSHIKIの歌うようなピアノ独奏で始まり、やがてオーケストラの様々な楽器が代わる代わる旋律を受け継いでいく。やがてケイティ・フィッツジェラルドがヴォーカルとして加わり、よく通る艶やかな声を響かせた。演奏を終えたYOSHIKIは立ち上がり、几帳面な手つきで譜面を整え、観客に語りかける。

「『YOSHIKI CLASSICAL 2018』にようこそ。カーネギーホール以来、ちょうど2年ぶりぐらい。今年最後のコンサート、ひょっとしたら平成最後かな? 感慨深い」。約18か月前に受けた首の手術についても振り返り、「ミュージシャンとして復活できないんじゃないかと思った。でもみんなのお陰でこうしてピアノを……医者には止められたけどドラムも叩けるようになって。カーネギーからの約1年半を振り返りながらやってみようかな?と思ってました」と心境を吐露した。曲間では立ち上がり、解説や心情を語るMCを差し挟みながら、コンサートは展開。オーケストラアレンジで楽曲を聴く楽しみに加え、トークによってYOSHIKIの人生を追体験していくような、濃密な時間を味わうことになる。

続く「GOLDEN GLOBE THEME」はアメリカのゴールデングローブ賞公式テーマソング。YOSHIKIの活動がいかに多岐にわたっているかを示す曲でもある。「本格的に腱鞘炎になったのはゴールデングローブのせい(笑)」などと冗談めかしながら、タイトな制作スケジュールの影響で、レコーディング時にピアノを長時間弾き通しであったエピソードを披露。オレンジと黄金色に輝く光の中、晴れがましい明るい旋律を奏でるYOSHIKI。まるで微笑みかけるような優しい楽曲で、YOHIKIの表情もまた、柔らかく見えた。

続いては、映画『聖闘士星矢 Legend of Sanctuary』のテーマ曲「HERO」。死を選ぼうとした主人公が、「本当に死にたいのか?」と自問して思い留まるストーリーに言及し、「ヒーローは自分の中にいる」とYOSHIKI。「子どもの時にお父さんを亡くしたので、いつも生と死を考えてきた」と自身の境遇を重ね合わせながら、誰しもが「自分自身と闘っている」とも。再びケイティーを迎え、「HERO」を赤い光に照らされながら披露。ドラマティックな歌唱に、YOSHIKIはピアノの音色をそっと寄り添わせていく。情感溢れるピアノアルペジオに聴き入っていると、やがてライトは淡いピンク色へ。闇に光が差し込み、浄化されていくような心情の変遷を、五感で味わうことができた。

次は、2017年に公開されたドキュメンタリー映画『WE ARE X』のテーマ曲「La Venus」。公開までの道程をYOSHIKIは回顧し、企画打診は10年くらい前から受けていたものの、「あまりにも壮絶なことがあったので、最初は『無理無理、できない』と断っていたんですが、僕らの人生、みんなの人生もまだ進行形。こうやって存在していて、まだ夢を追っているそのストーリーが、生き様がみんなの命を救うことができるかもしれない、と言われて。じゃあ、映画にしてみよう、と」思い至ったという。「過去を振り返る作業はつらかった」と語りつつ、「涙が今までの痛みを洗い流してくれて、未来へ向けるような……心洗われるようだった。過去は未来によって変えられる。僕らがこれからどう生きるかによって、過去が暗いものになるか、輝かしいものになるかが決まる。まだ進行形の自分たちを見てもらいたい」との言葉には説得力があり、胸を打たれた。

演奏が始まり、まず鳴り始めたのは、チェロの音色の深い響き。やがてヴァイオリンがメロディーを奏でていく。スクリーンには『WE ARE X』の映像。何度観ても胸が苦しくなるのを避けられない葬儀や墓参りの様子、「この世のものはすべていつか消えていく」「僕らはまだ生きてるから」といった字幕を目にしながら、YOSHIKIの心の奥底から湧いてくる想いを溢れさせるようなピアノ演奏に、ただただ聴き入った。

「KISS THE SKY」ではYOSHIKIはしばしば客席に顔を向け、コーラスを求めた。オーケストラとの共演で、エレガントな演奏ではあったが、空気感は限りなくフレンドリーだった。そして「FOREVER LOVE」では、背後にピンクの花びらが舞い散る映像が流れ、バレエダンサーが登場するロマンティックな演出。右手から男性、左手から女性ダンサーが現れ、互いに求めあうように舞い踊る。そこへ4人のバレリーナが加わり華やかな群舞へ。やがて男女が一組となりパドゥドゥを披露し、ステージを去った。YOSHIKIは立ち上がってマイクを持ち、自身のディナーショーからコラボレーションをスタートさせた牧阿佐美バレエ団を讃え、「こんなに素敵にしていただいて、感謝してます」「自分でもピアノ弾いててついつい見惚れちゃいますね」と述べた。

続いて、ベートーヴェンの「MOONLIGHT SONATA」を披露するにあたり、ウィーンでの秘話を。ホテルの部屋にベートーヴェンの銅像があったそうで、「大好きだけど、怖い(笑)。視線が気になって、怖くてベッドじゃなくてソファーで寝た」と語り、笑わせた。「ベートーヴェンは壮絶な人生を過ごされた作曲家ですよね。だけど、100年、200年経っても音楽が受け継がれている。僕も1曲でもいいから、100年、200年後に聴いてもらえるような曲を作曲していきたい。『FOREVER LOVE』とか、残るかもしれないね」と代表曲の名を挙げると、客席からは拍手が送られた。

笑いを含んだリラックスモードのMCの直後、椅子に座ってジャケットの裾を払うと、たちまち集中した空気が会場を満たす。銀河の映像と、青い光。オーケストラが加わり、それぞれの楽器が歌い始めるように、重層的な音世界を織り成していく。ACT 1のラストは、天皇陛下御在位10周年の奉祝曲「ANNIVERSARY」。「僕は平成元年生まれで……」とジョークを口にすると客席がざわつき、「サラッと流そうと思ったのに(笑)。デビューが元年で、その10年後にこの曲を作曲させていただいたんですね。その時、X(JAPAN)も解散していて、どん底にいた気がする。もう音楽をやめようかな?というぐらいの時にこのお話をいただいて、とても光栄なことなので最後の力を振り絞って作らせていただきました」。喜びと苦しみの混在するさまを描くため、「長調と短調が繰り返し返し出てくるようにした」と意図を解説し、「平成を振り返る気持ちで、いろんな想い、感謝の気持ちを込めてこの曲を弾いてみたいと思います」と語り、恭(うやうや)しくピアノを奏で始めた。始まりは物悲しく、やがて嵐のような激しい昂ぶりを見せると、ふと雲間から光が差し込むような明るさへ。激しさと静けさが交互に訪れる中、YOSHIKIはピアノの端から端までをフルで使い、それでもまだ「鍵盤が足りない」という勢いで、はみ出さんばかりの情熱的な演奏を繰り広げた。

ACT 2は、「AMETHYST」で幕開け。「TEARS」は、オーケストラの様々な弦・管楽器に奏でられることで、メロディーの持つ強さ、普遍的な美しさを改めて実感させられた。そこへYOSHIKIが加わって、3曲目の「MIRACLE」へ。重厚な低音を積み重ねていき、アシュリー・ナントのハイトーンによるイタリア語ヴォーカルが入ると、荘厳な空気に会場が包み込まれていった。壮大なオーケストレーションとドラマティックな歌唱が合わさり、やがてクライマックスへ。音が途絶えた瞬間、大きな拍手が鳴り響いた。

「“奇跡(MIRACLE)”というものを、人は自分とは関係ないと思っているかもしれないけど、奇跡は起こすもの。本当に思っていると夢は叶うし、奇跡は起こる」と力強く語ったYOSHIKI。「バンドが解散したのにこうして戻ってこられたのも奇跡。みんなとここにいて、同じ時代に生まれてここにいるのも奇跡」。どんな深い傷を負っても蘇り続け、今なお走り続けるX JAPANの、YOSHIKIの姿こそ、奇跡と呼ぶべき存在なのだろう。

続いては、「SWAN LAKE」。YOSHIKIはチャイコフスキーを評し、大好きなロシアの作曲家であり、クラシックと現代音楽の変わり目にいた人で、とても影響を受けている、と語った。バレエ音楽として親しまれている、この陰影に富んだドラマティックな名曲に、再び登場したバレエダンサーたちの舞いは当然、ごく自然に溶け込んだ。ステージにはスモークが漂い、カラフルなライティングも映えて、古典美と現代性が融合した総合芸術を織り成していた。

続くMCでは、「初日はサラが来てくれて、会見で記者の方たちがQueenの映画『ボヘミアン・ラプソディー』を観ましたか?と言われて。ドラムのロジャー・テイラーと2曲コラボしたことがある」とワールドワイドな活動をするYOSHIKIらしいコメントも。幼い頃に憧れたバンドでもあるQueenへの「トリビュートで弾いてみようかな?」とピアノだけで「BOHEMIAN RHAPSODY」を演奏、愛情の伝わる慈しみ深い音色を響かせた。


「じゃあ、新曲をやってみようかな?」と弾き始めたのは、「RED SWAN」。赤いライトに照らされる中、スペシャルゲストのHYDEがついにステージ右手から姿を現した。黒いスーツの中にはたっぷりとしたフリルをあしらった黒ドレスシャツを纏い、ドレッシーな中にも軽やかさのあるスタイリング。柔らかい声色で丁寧にHYDEは歌い、長く声を伸ばすところは悠々と。オーケストラは歌にそっと寄り添うような旋律を紡ぎ、HYDEの存在を最上級に尊重しているのが演奏からも伝わってくる。苦し気に顔をしかめ、声を掠れさせた箇所もあったが、そのことがむしろ歌に豊かな表情を与えていた。歌い終えるとマイクを顔から遠ざけ、目を閉じて余韻を味わう様子を見せたHYDEは、間奏を奏でるYOSHIKIをじっと見つめていた。再びマイクを執ると、歌声は一層力と熱を帯び、終盤に向けて爆発的に情感が昂っていくようだった。無比の歌声と圧倒的な表現力。聴き惚れるしかなかった。

曲が終わるとすぐ、はにかんだような笑顔を浮かべたHYDE。YOSHIKIは立ち上がり、HYDEをハグ、「来てくれてありがとう!」と感謝を述べる。「光栄です」とHYDEは答え、「独特な緊張感がありましたけど、ふと見ると、YOSHIKIさんの美しい顔が(笑)。皆さん、申し訳ですけど、独り占めさせていただいてます(笑)。優しいオーラ、でも独特のオーラで、長い音楽人生を歩かれていて……」とリスペクトを込めて語った。YOSHIKIも「偉大なヴォーカリストの一人であるHYDEさんとできるなんて、本当に光栄です」と応えた。

「この組み合わせ、10年前には考えられなかった」とYOSHIKI。HYDEは「(当時は)しばかれると思っていて(笑)。2年前にお食事に誘われて『とうとうこの日が来たか』と思ったら、楽しい食事会で」と“怖い先輩”に怯えていたことをユーモラスに答えた。YOSHIKIは、日本のミュージシャンの海外展開に対し「点ではなく線、面にして波を起こせたら」とのヴィジョンを抱いており、その考えの一環に『VISUAL JAPAN SUMMIT』(2016年のYOSHIKI主宰フェス)開催もあったのだという。「いつかHYDEさんとできたらいいなあ、と何となく思っていたんですけど、この楽曲と、しかも『(NHK)紅白(歌合戦)』まで決まってしまって……」とYOSHIKI。「知ってる? 俺たち“初出場”」と笑い、L'Arc~en~Cielとしては出場経験があるHYDEも「何て書かれるのかな?と思っていたら……(笑)」と同感の様子だ。紅白では「度肝を抜く」とYOSHIKIが宣言した報道を「見た?」と尋ねられると、「見ました。俺も知らないから(笑)。『何をする気なんやろう?』って」とHYDEは笑っていた。

ほのぼのとした会話がしばし続き、「『RED SWAN』、どう思いました?」とYOSHIKIに尋ねられると、HYDEは「綺麗な旋律だったので、こう来たか、と。最初からカッコよかったけど、歌うたびに深まっていく。YOSHIKIさんが込めた意志が伝わってくるから泣きそうになる。それを代弁している気になってくるから。すごくいい曲だと思います」と、熱く語った。「そう言ってくれると作曲したかいがある。この曲に素晴らしいヴォーカルを、命を与えてくれてありがとう」とYOSHIKIは感謝を示し、「次は12月31日に」と紅白共演での再会を誓い、再びハグ。HYDEは観客に手を振ってステージを去った。

「いつも素晴らしいヴォーカリストが傍らにいてくれて、TOSHIは4歳から知ってる。なんて幸せなんだろう!と思います」とYOSHIKI。「友人のLUNA SEAのRYUICHIであったり、GLAYのTERUであったり、素晴らしいヴォーカリストを友人に持って幸せだな」とも加え、「そして今日はHYDEさん。刺激し合って海外にも出て行けたらいいなと思います」と強い意欲を改めて示した。

続いてアシュリーを呼び入れて、「RIVER OF THE LIGHT」へ。音楽が暗闇の道しるべのような光になれば……と願う、天の川のイメージを持つ曲だという。アシュリーの高音は細かく震えながら力強く響き、凛として美しかった。ピアノを奏でるYOSHIKIの真剣な眼差しが印象的だった。9月に無観客ライブを敢行したX JAPANの幕張メッセ公演に触れ、「あの日からハンマーで頭の後ろを殴られたみたいでボーッとしちゃて。夢と現実(が交錯して)……現実を疑い始めちゃって。みんな、いるんだよね!?」と語り掛けたYOSHIKI。「Xってだいたい自爆するタイプだから(笑)」と笑い、外的要因である台風で起きた非常事態に、思いのほか大きなダメージを受けている様子だった。しかし、「ステージではHIDEもTAIJIもいて、いつも7人でやってるし……みんなもいてくれたんだよね?」とファンに問い掛けるYOSHIKI。たとえ目には見えなくても、心で繋がり合っているのだ、と確かめるかのように。

傷付きながら歩んできたX JAPANの歴史を改めて振り返りながら、「ファンのみんながずっと応援してくれてたから、またバンドが復活して、HIDEとTAIJIは旅立ってしまったけど、こうしてステージに立てて。XとしてもYOSHIKIとしても、本当に心から感謝しています」と涙ながらに語ると、大きな拍手が送られた。「人の心の痛みは、身体の傷口は癒えても永遠に癒えないのかな……だけど、それと向き合って生きていきたいと思っているので、これからもよろしくお願いします」。「Xのメンバー、そして僕にピアノを、音楽を与えてくれた父親に捧げたいと思います」との言葉から届けたのは、「Without You」。背後には、海辺でピアノを奏でるYOSHIKIの映像が映し出され、X JAPANの過去のライブ映像、YOSHIKIの幼少期の家族との写真などが織り込まれていく。人生の記憶をコラージュし、それらへの思慕の念を迸らせるような、魂の演奏。YOSHIKIはピアノを弾き終え、長い間目を伏せたままだった。

そのまま「KUREANI」が始まり、YOSHIKIは込み上げた感情を注ぎ込むように演奏。YOSHIKIの頭上の空中に、ホログラムのような光の螺旋が出現し、浮遊していた。カルテットで演奏された正式な曲名未定の「TRANSITION」を経て、「ART OF LIFE」へとなだらかに繋げる。やがてYOSHIKIは指に込める力は強め、立ち上がって激しく鍵盤を打ち鳴らしていく。荒々しさと清らかさが共存する、YOSHIKIそのもののような大曲のオーケストラアレンジは圧巻だった。

丁寧なメンバー紹介の後、最後の曲を控え、YOSHIKIはこう語った。「LAに行ってから25年以上経つのかな? いまだに闘いの日々。少しでも音楽を通じて、もし西洋と東洋の壁があるなら、壊したい。闘いに終わりはあるのかな?と考えることがあって、そんな時、ファンのみんなが背中を押してくれる。みんな、闘ってると思う。自分の使命って何だろう? 自分の生まれて来た意味を見つけるために、いい意味で闘い続ける。みんなにもらった第二の人生。少しでも恩返しできるように、これからも闘っていくので、応援してください」。会場からは大きな拍手が沸き起こり、「これからも一緒に頑張っていこうね! 僕にみんなが付いてるように、みんなにも俺が付いてるからな!」と力強い、愛のある言葉をYOSHIKIは贈った。

さらに、11月20日の誕生日が目前だということで、「HAPPY BIRTHDAY」を演奏。かつては「破滅の美学」、しかし今は「継続する美学」を貫くと誓い、ファンの合唱で会場は温かいムードに。「みんなに音楽を届けられるように、みんなの少しでも力になれるように、頑張っていくのでよろしく!」との言葉から、「ENDLESS RAIN」を披露した。

歌の旋律を様々なパートが順に担い、YOSHIKIは穏やかな表情を浮かべながらピアノを演奏。ステージではミラーボールが光を放射している。観客の歌とピアノだけになる場面もあり、YOSHIKIは満ち足りた幸せそうな笑顔を見せていた。最後は再びオーケストラと音を重ね合い、目を閉じて感極まった様子で天を仰ぐYOSHIKI。深いお辞儀をしてステージを去ったが、幾度も戻ってきてはカーテンコール。ステージを端から端まで歩いてファンに挨拶し、花束を受け取るなどしてコミュニケーションを図る。HYDEも再登場しYOSHIKIと2人で礼。カーテンコールにも加わったが、HYDEは控え目で礼儀正しい振る舞いを最後まで貫き、小さく手を振ってステージを後にした。

YOSHIKIは「みんなのお陰で『YOSHIKI CLASSICAL 2018』を無事に終了することができました。本当にありがとうございます。また会える時まで俺も頑張るから、みんなも頑張ってね!」と挨拶、「We Are!」「X!」のファンとの熱い応酬で、3時間半の公演を終えた。

強さと弱さ、激しさと静けさ、ロックとクラシック、東洋と西洋……一見対極にある要素を併せ持つYOSHIKIだからこそ生み出せる、オリジナルな音楽。傷を負いながらも闘い続ける、壮絶な人生の物語。そして、それを伝えるストーリーテラーとしての才。YOSHIKIという偉才がいかに稀有な存在であるかを再認識する公演だった。
(取材・文/大前多恵)


≪セットリスト≫
■ACT 1
1. I'LL BE YOUR LOVE
2. THE LAST SONG
3. GOLDEN GLOBE THEME
4. HERO
5. LA VENUS
6. KISS THE SKY
7. FOREVER LOVE
8. MOONLIGHT SONATA
9. ANNIVERSARY

■ACT 2
1. AMETHYST
2. TEARS
3. MIRACLE
4. SWAN LAKE
5. BOHEMIAN RHAPSODY
6. RED SWAN
7. RIVER OF THE LIGHT
8. WITHOUT YOU
9. KURENAI
10. TRANSITION
11. ART OF LIFE
12. ENDLESS RAIN

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