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ICT(情報通信技術)を身近に 障害者参画で実現へ

11/26(月) 12:03配信

福祉新聞

 総務省と厚生労働省は15日、デジタル活用共生社会実現会議(座長=村井純・慶應義塾大教授)の初会合を開いた。ICT(情報通信技術)の活用により年齢や障害の有無にかかわらず、豊かな人生を享受できる社会の実現に向けた方策を検討する。ICTを身近な地域単位で普及すること、アクセシビリティーを確保することを主な論点とする。2019年3月に報告書をまとめる。

 総務省の情報通信審議会(総務大臣の諮問機関)が今年8月に答申したものをベースに議論する。國重徹・総務大臣政務官、新谷正義・厚生労働大臣政務官が共宰し、8月までに描いた将来像を障害者が委員に入って具体化する。

 國重政務官は同日の会合で「2040年頃には高齢者人口がピークを迎える。静かなる有事に対して、みんながみんなを支える共生社会を目指すことが我が国にとって極めて重要だ。ICTも共生社会を支える大きな力の一つになる」とあいさつした。

 論点は二つあり、それぞれ部会を設ける。

 その一つがICT活用を普及するための地域づくりだ。高齢者や障害者が気軽に相談できる人材(デジタル活用支援員)や学び合うためのグループ(地域ICTクラブ)を全国に広げる方法を検討する。総務省は今年度、そのための実証事業を全国19カ所で始めた。

 もう一つがアクセシビリティーの確保だ。健康管理機器などの開発段階から障害者が参加する仕組みをつくり、そうした製品の認定制度を導入する方向で検討を進める。

 また、目や耳が不自由な人のコミュニケーションや、車いす利用者の移動を支える技術の開発に成功した事例も共有化を図る。

 いずれも、人口減、労働力不足といった社会構造の変化を踏まえ、高齢者や障害者の社会参加、就労を後押しすることが狙いだ。

 委員に就任した全盲の石川准・静岡県立大教授は、ICTで目覚ましい業績を残した海外の企業の例を挙げ、「法制度上のインセンティブがあってこそのものだ」と指摘。国際的に見て、日本は特に情報アクセシビリティー政策が弱いとした。

 同じく委員に就いた聴覚障害のある大杉豊・筑波技術大教授は音情報、音声言語、手話言語それぞれについて「聴覚障害者のニーズ、サービス実施の現状、技術開発の進捗状況をヒアリング調査で明らかにしてほしい」と要望した。

 会議の事務局は総務省の情報流通行政局情報流通振興課、厚労省の障害保健福祉部企画課が担う。会議には内閣官房、文部科学省、経済産業省の担当者もそれぞれ同席する。村井座長は「各省庁が参加する画期的な会議だ」と話した。

 ◆アクセシビリティー・・・「容易に利用できること」を意味する。政府の第4次障害者基本計画(2018年度からの5カ年)は、社会のあらゆる場面で障壁を取り除くために「アクセシビリティーの向上」を分野横断的な視点と位置付けた。

最終更新:11/26(月) 12:03
福祉新聞

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