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食品業界の知財戦略ー登録件数400件目前、用途特許活用広がる

11/27(火) 16:40配信

健康産業新聞

食品特許に関する審査基準の改訂から2年が経過し、食品用途特許の登録は390件を突破した。異業種企業の参入や機能性表示食品市場の拡大が影響し、食品組成物を数値や機能で限定した用途特許の出願件数は増加している。先日の「食品開発展2018」にも多数の特許事務所が出展。知財系のセミナーは立ち見ができるほどの盛況ぶりで、関心の高さが伺えた。知的財産に関し、今後どのような戦略を取るべきだろうか?

知財の特徴を 把握し多面的な保護を

従来、健康食品業界では、特許の取得よりも、営業秘密として製造方法などをノウハウ化する手法が一般的だった。食品の製造方法は、外部から解明されにくく、特許取得で技術公開されるほうがデメリットだと考えるメーカーが多かった。しかし、化粧品や通販など異業種メーカーの参入件数の増加や、機能性表示食品制度の開始などが影響し、特許で製品を保護する必要性の認識が浸透し始めた。

特許庁データベースを基にした集計では、食品の用途特許の登録件数は390件を突破。審査基準の改訂から2 年が経過したが、登録件数は年々増加している。原料メーカーが特許取得により自社原料のブランディングを進める事例や、受託メーカーが自社独自の製造工程を特許で権利化する事例も増加しており、今後の広がりも予想される。他社の先行特許との接触を避け、特許で保護された製品を開発、上市するためには、ライバル商品の特許取得状況をベンチマークし、広い視点から自社製品の領域を作っていく必要がある。河部秀男弁理士は「特許クリアランスにより商品の法的安定性を確保する守りと特許出願と権利取得により長期間の市場占有を可能にする攻めの2 つの視点を持つことが重要だ」と語る。

また特許権、意匠権、商標権にはカバーする範囲や期間、付与できるイメージに異なる特長がある。それぞれの特長を理解し、複数の知財要素権を掛け合わせ、多面的に製品を保護することが有効だ。

春名真徳弁理士は「特許権による革新的イメージ付与効果、商標権によるブランドイメージ醸成効果、意匠権による新デザインの視覚効果をミックスし、製品を多面的に保護すことでより効果的に競合他社との差別化を図ることができる」と語る。

最終更新:11/27(火) 16:40
健康産業新聞

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