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“冬血圧”に要注意…夏より10以上高い人は心筋梗塞リスク大

11/28(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 血圧が高めの人は、薬を飲んでいる人も飲んでいない人も、改めて「冬の血圧」をチェックした方がいい。認識している以上に血圧が上がっている可能性がある。東京都健康長寿医療センター顧問の桑島巌医師に聞いた。

「夏は血圧が下がり、薬をやめるチャンス。一方で、冬は寒さが原因で血圧が上がるので、一年の中で最も血圧管理に気を付けなくてはなりません。高血圧と診断されておらず治療を受けていない人も、冬には降圧剤などが必要になるケースはあるのです」

 興味深い調査結果が発表された。帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座准教授の浅山敬医師が行ったもので、「夏から冬にかけて収縮期血圧が10㎜Hg以上、拡張期血圧が5㎜Hg以上、上昇する患者は、心血管イベントリスクが2倍になる」というものだ。収縮期血圧とは“上”の血圧、拡張期血圧は“下”の血圧のこと。

 浅山医師は、家庭血圧に基づいた長期の降圧治療の有用性を検討したランダム化比較試験のサブ解析をした。

 高血圧患者2787人のうち、冬に血圧が上昇する群を①低変動②中変動③高変動に分け、心血管イベントを調べた。

 すると、高変動群は低・中変動群と比べて、無イベント生存率が低かった。高変動は通常より大きな変動を示す群で、収縮期血圧9・1㎜Hg以上、拡張期血圧4・5㎜Hg以上だった。

 さらに、前出の高血圧患者2787人のうち、本来は血圧が下がる夏に逆に血圧が上昇する逆転変動群も調べると、高変動群と同様、低・中変動群と比べて無イベント生存率が低かった。

 治療開始前後の血圧値で補正した心血管イベントのリスクは、低変動群を基準とすると、高変動群で約2倍、逆転変動群で約3倍だった。

「血圧の変動が大きい人は、動脈硬化が進行していることが考えられます。血管が硬いため、寒さなどの刺激による影響を受けやすいのです。だから、心筋梗塞など心血管イベントのリスクが増す。高齢者や、動脈硬化を進行させる糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を抱えている人は、特に季節で変動する血圧に要注意です。夏と同じ薬では血圧コントロールができない可能性があります」

■まずは1週間に2~3回血圧を測定

 まずは、自分の今の血圧をきっちり把握すること。家庭で測定するのが一番だが、桑島医師によれば、血圧を測定する時は、タイミングが大事。朝の起床時すぐは、自律神経の副交感神経から交感神経に切り替わる時で、本来より血圧が高くなりやすい。

「また、冬は布団から出てすぐは、寒さで血管が収縮し血圧が高くなりがち。起床してからしばらく時間が経った朝食前に、普段過ごしている室温の中で、測定するといいでしょう。お手洗いは行ってからでもその前でも構いません」

 1日だけの測定ではなく、1週間に2~3回測定する。

 血圧が認識している以上に高い場合、前述の「動脈硬化が進んで冬に血圧が高い」ケースと、「薬が効いていなくて朝の血圧が高い」ケースがある。

 冬に血圧が高くなる場合は、よりよく効く薬に変えたり、錠剤の数を増やす。

 一方、薬が効いていなくて朝の血圧が高いというのは、朝飲めば翌朝まで効果が持続する薬のはずが、就寝中に効果が途切れてしまい、朝の血圧が高くなってしまうということ。こちらも薬の見直しが必要になる。

「冬は、寝室や風呂場の脱衣所を温かくするなど、室温の変動が少なくなるように心掛けることも大切です」

 冬に発作を起こさないために実践したい。

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