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「子どもの83%に新型栄養失調のリスク」を信じるな!

2018/11/28(水) 11:01配信

BuzzFeed Japan

ハウス食品(株)が10月29日から展開している「満点を、摂ろう。」キャンペーンで、「子どもの83%に新型栄養失調のリスク。クリームシチューがオススメ」とPRしているのをご存知ですか?

「我が子も新型栄養失調か?」と震え上がる人も多いでしょう。なにせ、83%という高率なのですから。

でも、広告やプレスリリースをよくよく読むと、信ぴょう性のあるデータとはとても言えません。

「新型栄養失調」という言葉、どうもこれから流行りそうな気配です。でも、もっともらしい数字や言葉にはだまされないで。このキャンペーンのなにが問題なのか、解説しましょう。
【寄稿:松永和紀・科学ジャーナリスト】

根拠の調査がずさんすぎる

ハウス食品は10月29日付プレスリリースで、こううたっています。

8割の子どもに「新型栄養失調」のリスクあり。3食しっかり摂取しているにも関わらず特定の栄養素をあまり摂取できていないことが判明。

新型栄養失調には、煮汁ごと栄養を摂取できるクリームシチューがおすすめ。(ハウス食品プレスリリース)

新型栄養失調という言葉、学術的なものではありません。栄養疫学者によれば、これに相当する英語名も聞いたことがないそうです。ハウス食品広報・IR部によれば、独自に定義したもので、キャンペーンサイトでは「食事によるカロリーは足りているのに、ビタミン・ミネラル・食物繊維など必要な栄養素が不足している状態」と説明しています。

調査はハウス食品調べとなっており、2018年9月の3連休明けの日に、6~8歳の子を持つ女性100人にインターネットで聞きました。

朝昼晩、子どもが母親の作った料理を食べているというのが条件で、3日間に食べた食材と分量を母親に選択してもらい、鉄、カルシウム、ビタミンA・B1・B2・C、食物繊維の摂取量を算出しました。

そして「日本人の食事摂取基準」と比較、「3日間どの日も満たしていない」「3日のうち1日しか満たしていない」という場合を「新型栄養失調のリスクありとしています。その割合が83%だ、というのです。

うーん、もっともらしい。でも、83%という数字、問題がいろいろあります。

(1)3日間の食事調査では、短すぎる

人の食事は日によって食べる量にかなり大きな変動があります。たとえば、成人男性で、その人の鉄や食物繊維の習慣的な摂取量をある程度正しく把握するのには、10日程度はかかる、とされています。

ビタミンCは、1カ月近く程度の調査が必要です(日本人の食事摂取基準2015年版より)。子どもは、大人ほどのぶれがあってはよくないのですが、それにしても3日間の調査では足りません。

(2)9月の3連休の食事には、学校給食が含まれていない

加えて、祝日を含む3連休に朝昼晩、母親の作ったものを食べている、というのは、日本の子どもの一般的な状況と異なります。

学校がある日は、学校給食も含め栄養をしっかり考えて食事管理。子どもの嫌いなピーマンや人参も食卓に上る。でも、お父さんがお休みの日は、牛乳も飲まず、おいしいご馳走をいっぱい食べるぞ、となりがちではありませんか? 

「栄養失調」という言葉は、習慣的、長期的な栄養不足を意味すると思いますが、こんな調査では、日常における栄養摂取の状況など把握できないのです。

日本の子どもの食生活のポイントは、学校給食です。メニューが決まっておりかなり強制的に提供され残食も少ない、というのが他国の学校給食にはない特徴です。

強制は昨今、批判の的ですが、栄養摂取の面では学校給食が大きな利点を持っていることが、東京大学率いる研究チームの調査で明らかとなり、2017年に論文発表されています。日本語解説もあります。

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最終更新:2018/11/28(水) 11:01
BuzzFeed Japan

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