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軽減税率にポイント還元 消費増税対策「バラ撒き」の効果は限定的?

11/28(水) 11:40配信

THE PAGE

経済が弱体化した状態での増税は景気を失速させる

 来年10月に予定されている消費増税に対応した景気対策の総額が4兆円を超える見通しとなりました。増税による景気の失速を防ぐための大盤振る舞いですが、一部からは、消費税対策でバラ撒きをするのでは増税する意味がないとの意見も出ています。

 一般的に、増税というのは景気に対してそれほどマイナスの影響を与えるものではありません。その理由は、政府が徴収したお金は政府支出という形で、最終的には消費者に戻ってくるので所得は減少しないからです。しかし経済が弱体化した状態で増税を行うと、消費者のマインドが悪化し、景気が落ち込むことがあります。前回の消費増税はその典型例で、増税後に景気が一気に失速しました。政府は日本の景気がよいと喧伝していますが、増税によって景気が落ち込むということは、日本経済が弱体化していることの何よりの証拠です。

 前回の消費増税時と経済環境は大きく変わっていませんから、今回の10%への増税も景気にマイナスの影響を与える可能性があります。このため政府は、景気が失速しないよう、対策の実施を検討してきました。

 もっとも大がかりなのは、食料品など生活必需品の購入に限定し、8%の税率を据え置くという軽減税率でしょう。低所得世帯向けには、購入額に一定金額を上乗せして買い物ができるプレミアム付き商品券を発行し、2万円で2万5000円分の買い物ができるようにします。これに加えて、中小の小売店でクレジットカードを使って買い物をした場合に2%のポイントを還元する制度や、3~5歳児の保育料無料化などが盛り込まれる予定です。また、住宅エコポイントの復活も検討されているようです。

景気対策費用は、増える税収とほぼ同額の4兆円

 制度の詳細が完全に決まったわけではありませんが、現時点で計画されている施策がすべて実施された場合、費用の総額は4兆円を超える可能性があります。消費税は1%増税すると2兆円程度の税収増が見込めますから、2%増税による税収増は4兆円となります。つまり、初年度については、増えた税収のほとんどを消費者に戻してしまう計算です。

 前回、実施されたプレミアム商品券は消費を拡大する効果がなかったとの指摘もありますから、今回についても効果は限定的でしょう。景気浮揚効果がなかった場合、何のための還元策だったのか、分からなくなってしまいます。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:11/28(水) 18:57
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