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「もう勇気は残っていない」 中国ホテルの衛生問題暴露、動画の製作者

11/28(水) 11:50配信

東方新報

【東方新報】近ごろ中国で注目を集めた、国内10か所以上の高級ホテルの衛生問題を暴露した動画。あるネットユーザーが、微博(ウェイボー、Weibo)に公開した。

【写真】別室から清掃員の状況を確認

 広州日報の記者は、動画製作者に取材を行い、動画を製作した意図や暴露した経緯などを聞いた。

「落ち目のインフルエンサー」を自称する、ハンドルネーム「花総」さん。この6年はホテル暮らしが続き、147室の5つ星級のホテルを利用、2000泊以上したという。「おそらく中国のホテルを最も多く利用した人間だろう」と花総さんは話す。

 ■偶然、使用済みタオルでコップ拭く清掃員を目撃

 記者:撮影をしようと思いついたのはいつか。

 花総:昨年、江蘇省(Jiangsu)のあるホテルを利用した時だ。お昼にたまたま部屋に戻ると客室清掃員が部屋を掃除中で、清掃員は客室入口に「清掃中」のプレートなども掛けていなかったので、私も直接入室した。

 その時、清掃員が使用済みタオルでコップを拭くのを見てしまい、その場の空気が非常に気まずくなった。清掃員を疑い始めたのはその時から。6年近くホテル生活をする私はホテルの利用頻度も高いわけで、備え付きのコップなどが本当にきれいなのかを知る必要があった。そして、この問題が「清掃員固有のことなのか、ホテルの普遍的なことなのか」を知りたかった。

 記者:動画を公開したきっかけは。

  花総:もちろんこのことを皆さんに伝えたかったからで、ほかの方法も思いつかなかった。

 ホテル側にとって問題の発覚は、一時的な世間の批判を浴びる程度としか思ってないかもしれないが、各ホテルの衛生管理面における盲点がどこにあるのかという点について、ホテル側に真摯に理解してもらい、改善を進めてもらいたいと思っている。

 ■個人への影響が大きかったことが予想外

  記者:動画は10分程度だが、実際にはどれくらい撮影したのか。

  花総:公開した動画に使用した素材は、ここ数か月の間に撮影したものだ。1回の撮影で15分ぐらいの録画を目安に、そのうち画質を含め、うまく撮影された約30カットを素材として使った。いずれも、ほとんどが清掃員がルールに反した行為を行った映像だが、その行為の内容も多種多様で、合計すると7~8時間分の動画素材を撮影した。ホテルにも最低2晩以上宿泊した。

  記者:世間にこれほど大きな反響を与えたことを予測できたか。

 花総:世間の注目を集めることは予測できたが、私個人に大きな負の影響を及ぼすことは予測できなかった。矛先をホテルに向けたことで、ハチの巣をつついてしまったような感覚を持っている。ホテル業界全体を不快にさせてしまったのだろう。

 現在、私の情報はすべて知れ渡り、チェックイン情報や個人情報などを含め、各SNSのグループ機能から情報が拡散され、収拾がつかない状態になっている。また、動画を公開したことによる結果として、一部のホテルは問題を改善しようとするどころか、私をブラックリストに入れたところもある。私も正直なところ、こういったホテルに対してどのように対処していいのかわからない。今後、私がホテルを利用できるのかどうかもわからない。

 ■「問題はホテルに解決するつもりがあるかどうか」

 記者:動画を公開したことを後悔しているか、動画の削除を考えたことは。

 花総:今は途方に暮れている。今回の件については円満な解決を望んでいるし、こちらから態度を軟化することもできる。しかし私はもう二度と、このようなし烈な闘争の場には立ちたくない。今回のように、万人の注目するところには多くの代価を払うことになり、そして誰もがそうしたことに直面する勇気を持っているわけでもない。

 もう私の勇気はいくらも残っていないし、今回の件で精神的に消耗しきってしまった。今後、同じことをするつもりはないしそんな余力もない。

 しかし、動画を削除することはできないだろう。動画はすでにさまざまな場所に公開され、拡散されている。今回の件を通じ、業界は改善へと向かって行くことになるだろうが、私個人との解決でなく、問題そのものの解決に進んでほしい。

 一部のホテルは現在、清掃員に小型カメラを携帯させて清掃時に記録を残すなどの措置を取っているところもある。このように問題は解決できないものではなく、ホテル側が解決する考えがあるかどうかだ。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:11/28(水) 12:40
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