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開始から3年、全国に広がりはじめた同性パートナー制度

11/29(木) 11:15配信

BuzzFeed Japan

全国に広がる同性パートナー公認制度
目下の「LGBTブーム」は、東京の渋谷区と世田谷区で始まった同性パートナーの公的認証制度がきっかけであることは、誰しも疑わないでしょう。2015年11月5日に、証明書の交付(渋谷区)やパートナー宣誓(世田谷区)が始まって、ちょうど3年がたちました。

その後、同様の制度は宝塚市、伊賀市、那覇市、札幌市、大阪市、福岡市で実施され、千葉市、豊島区、横須賀市での導入も報じられています。導入を検討する自治体も広がっています。

じつは私の住む東京都中野区でもこの8月、同性パートナー制度が始まり、9月に第1号カップルの宣誓がありました。

ここであらためて、自治体の同性パートナーの公的認証の意義を確認してみましょう。
【寄稿:永易至文・NPO法人事務局長、ライター、行政書士】

当事者に誇りを与えた制度

この制度は国の法律にもとづくものではないので、男女の婚姻のような法的効力(相続権など)はありません。相続には遺言を作るとか、金銭がからむ場面では(男女夫婦でも同様ですが)代理権を明記した委任状や委任契約が必要です(こちらの記事もご参照)。

しかし、病院での面会や不動産賃貸の場面など、事業者がふたりをカップルだと認めさえすれば対応できるはずの場面では対応を促進し、電話や飛行機などの「家族割」「夫婦割」、生命保険の受取人指定などの場面でも活用されています。会社の福利厚生で家族住宅手当てや慶弔休暇の申請に、これがあるとスムーズというところもあります。

そうした当事者の実益にかかわることと共に、性にまつわる「恥の感覚」がいまなお強い日本で、行政が同性カップルを公認することは、その負の感覚を払拭し、性的マイノリティの人権と社会的課題の存在を目に見えやすいかたちで示しました。

だからこそ、同性カップルにかぎらないさまざまな取り組みやトランスジェンダーへの対応促進(文科省通達など)にも波及したのでしょう。 

なにより当事者に、自分たちの存在が承認される喜びと誇りをもたらします。受領証を受け取るとき号泣したという世田谷のレズビアンの話を聞き、はにかみながらも二人で声を合わせて宣誓し握手するゲイカップルを見るとき、私はその思いを新たにしたものでした。

同時に、実施する自治体の数が増えてくるなかで、制度の違いが目立ってきました。自治体間で方法や適用対象に違いが見られ、差が出てきたのです。

また、制度制定の契機には、当事者主導もあれば、突然、首長や議員が先行して主唱し、当事者へのヒアリングや連携があるのか見えづらい場合もあります。

本記事では、私自身も参加した中野区での制定までの流れや制度の中身をご紹介し、3年を経た同性パートナー公認制度の今後の可能性を考えてみたいと思います。

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最終更新:11/29(木) 11:15
BuzzFeed Japan

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