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「難病の子」は不幸ですか? 苦しみ続ける姿、それでも…家族の日常「一定数生まれること、知ってほしい」

12/7(金) 7:00配信

withnews

 ICU(集中治療室)で苦しみ続ける息子の姿は、見ていられなかった。いっそ私の胸の中で息を引き取れば――。生まれて8カ月、水谷怜生(みずたに・れお)くんは生死のはざまにいました。国内では33万人に1人と推定される難病「ゴーシェ病」と診断されていたのです。深い葛藤を経た母の裕加(ゆか)さん(35)は、今月3歳になる怜生くんを、滋賀県近江八幡市の自宅で看護しています。「まわりの人にサポートされて怜生はいろんな経験ができ、家族も楽しんで生活しています」。2週間に1度、治療のために入院している県内の病院で、怜生くんに寄り添う裕加さんに話を伺いました。(朝日新聞科学医療部記者・鈴木智之)

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2600グラムで生まれた元気な赤ちゃん

 2015年12月15日、怜生くんは裕加さんの故郷、近江八幡市で生まれました。体重2600グラム。一過性の過呼吸があったものの、母乳をたくさん飲む、元気な赤ちゃんでした。

 しかし、3カ月経ったころから異変が目につき始めました。首が反る。のどが鳴る。うまく飲み込めない……。3カ月近くになると、体重も減り始めました。「見えない何かが迫り来る恐怖を感じていました」

 さまざまな検査を経て「ゴーシェ病」と確定したのは2016年5月。聞いたことのない病名でした。

 携帯電話で調べてみると、症状は息子に当てはまるものばかり。「予後2年」との記載もありました。

 「ものすごく重篤な病気というのが素人目にもわかり、先が真っ暗になりました」

 インドに赴任中の夫から離れての出産でしたが、夫も帰国することになりました。

 ゴーシェ病は遺伝性の難病で、国内の患者数はわずか150人ほど。1~3型に分かれており、怜生くんはとくに症状が重い2型で、全国に数十人しかいないとみられています。

 体内で酵素が正常につくられないため、細胞に糖脂質がたまり、肝臓やひ臓が腫れて大きくなったり、貧血、血小板の減少、骨痛、骨折、けいれん、斜視などの症状を引き起こしたりします。「できたこともできなくなっていくのです」と裕加さんは話します。

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最終更新:12/7(金) 7:00
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