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「難病の子」は不幸ですか? 苦しみ続ける姿、それでも…家族の日常「一定数生まれること、知ってほしい」

12/7(金) 7:00配信

withnews

姉は泣いて喜んだ。家族で旅行も

 しかし、当時4歳だった姉(6)は怜生くんが自宅で生活することになったことを泣くほど喜んでいました。入院中にあまり会うことができなかった弟の退院を心待ちにしていたのです。裕加さんにとっても、姉の歓迎は本当にうれしかったといいます。家族4人で過ごす生活は、怜生くんにも刺激となったのでしょう。徐々に穏やかな表情で過ごす時間が多くなり、喜怒哀楽の感情も豊かになりました。

 ほかの難病や障害のある子どもや家族と交流する活動にも参加するようになりました。気管切開を受けた子どもとその親たちによる運動会に出場。近江神宮(大津市)で餅つきもしました。医療関係者やほかの家族とともに奈良まで家族4人で出かけ、若草山に登ったり、東大寺の柱くぐりをしたり。流しそうめんも食べました。「怜生もほわあっとしたいい顔をしてくれるんです」

 裕加さんは実家の両親の手助けを受けたり、訪問看護ステーションを利用したりしながら在宅看護を続けていますが、怜生くんは2週間に一度はセンターに入院し、体内でつくることができない酵素を点滴で補充します。

 主治医の林安里さん(39)によると、「根本的な治療法ではありませんが、酵素は肝臓に届き、血液症状はなくなります」。しかし脳には行き渡らないため、神経症状への効果は期待できないといいます。最近、1年ぶりに撮影したMRIでは脳の萎縮が進んでいました。

「毎年、一定数生まれる。知ってもらいたい」

 それでも裕加さんは「在宅に切り替えて落ち着いているのはありがたい」「病気を抱えながら日々を送れていることに感謝しています」と話します。

 「毎年、怜生のような子どもたちはある一定数生まれる。絶望と葛藤の中で対峙(たいじ)している人がいることを、いろんな方に知ってもらいたい。『治る日が来れば』『進行が止まれば』と思っているが、いつまでこの生活が続くかはわからない。日常を大切にしながら良い時間を過ごしていきたい。怜生はお風呂が好きなので温泉にも連れて行きたいんです」


 患者と家族らでつくる「日本ゴーシェ病の会」は9月、ゴーシェ病を広く理解してもらい、新しい治療法や新薬の開発につながることを願って、動画をつくりました。裕加さんや林さんが、家族の思いやゴーシェ病の特徴などを話しており、同会のホームページ(https://www.gaucherjapan.com)で公開しています。

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最終更新:12/7(金) 7:00
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