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世界最高の建築物は“木と泥レンガ”でできたブラジルの学校

12/1(土) 8:11配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

超高層ビル? 博物館? いや、ブラジルの熱帯雨林にある人里離れた学校だ。

世界最高の建築物に贈られる王立英国建築家協会(RIBA:Royal Institute of British Architects)の2018年のInternational Prizeは、ブラジル北部トカンティンス州の Children Villageが受賞した。

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Children Villageはブラジルの建築事務所アルファゼロ(Aleph Zero)とローゼンバウム(Rosenbaum)が設計、両事務所の30代前半の若手たちが指揮を取った。

寄宿施設もあり、13歳から18歳までの540人の子どもが暮らす。子どもたちの多くはブラジル各地の遠隔地から来ており、学校までの道のりには、時に船を使うこともある。

このプロジェクトには、ブラジル最大級の銀行の慈善部門であるブラデスコ財団(Bradesco Foundation)が資金を提供した。ブラデスコ財団はブラジルの農村地域でこの他に39の学校を運営している。

「我々の建築家の選択は間違っていなかった。彼らはすべて理解していると考える類の人たちではないから」

ガーディアンによると、ブラデスコ財団のディレクター、デニス・アグイアール(Denise Aguiar)氏はそう語った。

「我々は何が必要か分からなかった。だが、建築家たちは自分たちのアイデアを押し付けるのではなく、生徒たちが望むことを実際に聞いたようだ」

2万5000平方メートルの学校はユーカリの木や泥レンガといったその土地で手に入る素材で作られており、経済性に優れ、環境にも優しい。

建物は張り出し屋根と穴のあいたレンガのおかげで、約43℃にも達するこの地域の猛暑にうまく対処している。

詳細は不明だが、空調さえ不要のようだ。生徒は暑すぎることではなく、寒さに不満を言っているようだ。

「Children Villageは生徒たちの毎日とより良い暮らしを改善するための素晴らしい環境を提供した。そして優れた教育デザインの計り知れない価値を示した」とRIBAの会長、ベン・ダービシャー(Ben Derbyshire)氏は語った。

建築家たちは生徒たちと一緒に、生徒たちがどのように暮らし、他の生徒たちと交流したいのかを決めていった。

最終的に施設には2つの独立した男女別の複合施設が作られた。それぞれ日陰になった3つの中庭を持ち、1階には6人部屋の寄宿施設、2階には多くの共同スペースと遊び場がある。

「女子生徒たちはお互いに以前よりもずっと親密になっている」とアグイアール氏。

「彼女たちは今では秘密を分かち合っていると私に語った。なぜなら彼女たちは40人ではなく、6人の居心地良いグループで生活しているから。女子生徒たちは部屋で過ごす時間を楽しみ、一方、男子生徒たちは常に2階でゲームをしている」

アルファゼロのディレクター、グスタボ・ウタボ(Gustavo Utrabo)氏とペドロ・ドゥスチェネス(Pedro Duschenes)氏は「子どもたちが建物を自分たちのものにし、空間を自分たちのニーズに適応させていく様子を見ることが楽しみ」と語った。

「我々は高圧的ではなく規範的に、押し付けがましくならず支援的に、甘やかすことなく、成長と発展を手助けすることを望んだ」

ローゼンバウムのマルセロ・ローゼンバウム(Marcelo Rosenbaum)氏とアドリアナ・ベンゲーラ(Adriana Benguela)氏は「受賞は、我々の建築への理解を深めてくれた。建築は社会変革のツールであり、建築を超え、若い世代とその先祖の間の深いつながりと知識を作り出すツール」と語った。

「このスペースはパブリックとプライベートの相互作用を促進し、集団、自然、個人の間の交流を生み出し、子どもと若者をその先祖や周囲の生態系に再び結び付ける」

RIBAのInternational Prizeは2年に1度授与され、世界で最も厳格に審査される建築賞とされている。

国際的な専門家グループが数多くの候補作品を訪問して、4つの最終候補作品を選出、審査員が4つの建物を訪問してInternational Prizeを決定する。

[原文:The world's best new building is a remote school in the Brazilian rainforest made out of wood and mud-brick]

(翻訳:一柳優心、編集:増田隆幸)

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