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まさに無敵! Xのメジャー1stアルバム『BLUE BLOOD』は問答無用に素晴らしい作品だ!

12/1(土) 18:00配信

OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回紹介したいのは、X の『BLUE BLOOD』! 80年代後半のバンドブーム期に登場し、シーンの話題を独占するほどのムーブメントを起こしたX。ハードロック、ヘヴィメタルをベースに持ちながらも、ハイスパートなサウンドメイキングだけでなく、美しい旋律を多様に聴かせる方法論を携えた実に懐に深いバンドだ。その天賦の才はメジャー1作目から余すところなく発揮されている。
※本稿は2014年に掲載

逆境を逆手にとってバンドブームの頂点に君臨

1980年代後半に所謂ハードロック、ヘヴィメタルという音楽性でシーンに切り込み、そのトップに上り詰めたばかりか、折からのバンドブームの頂点に君臨したX(現:X JAPAN)は、邦楽ロック史において一目も二目も置かれるべき、まさにモンスターバンドである。少なくとも1980年代後半において、ロック好き、音楽好きを除く一般リスナーにとってのハードロック、ヘヴィメタルというジャンルは敬遠傾向にあった。当時ガンズ・アンド・ローゼズが世界的ブレイクを果たしていたとはいえ、日本はまさにバブル期の真っ只中。DCブランドが持て囃され、学生までがソフトスーツに身を包み、ウォーターフロントのカフェバーで洒落たカクテルを傾けることがナウいとされていた頃である。人々を熱狂させていた音楽は、芝浦ゴールドやマハラジャといった高級ディスコでかかるユーロビートか、トレンディドラマの主題歌が関の山。長髪にバンドロゴの入ったTシャツ、あるいはスタッドを付けた革ジャンにブーツというファッションは嘲笑の対象であったし、ハイトーンのヴォーカル、ギターの速弾き、長尺な各パートのソロタイムは一部好事家の嗜好品といったイメージを持つ人が多かったに違いない。

Xがメジャーデビュー前に人気バラエティーTV番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』に出演したエピソードは有名で、当時はこれをきっかけに「ヘビィメタルをお笑いネタにした」と同業者から疎まれることになったそうだが、そもそも“早朝ヘビメタ”や“ヘビメタ運動会”という企画自体、すでにヘビィメタルが一般視聴者からはお笑い対象となっていた証拠だろう。Xがきっかけで当該ジャンルがお茶の間の笑いネタになったという指摘は少々お門違いではなかろうか。「いくら良い曲を作っていても聴いてもらえなければ意味がない」という考えから“知名度が必要”と判断してバラエティー番組に出演したバンド側の判断は個人的には正しかったと思うし、今となってはあの時期にお茶の間に分け入った彼らの勇気を讃えたいほどだ。

というか、このエピソードの裏には「出自がどうであれ、いい楽曲を持つバンドは必ず世間に認知される」といったメンバーの確信があったのではないかと想像する。実際、1988年に自らのレーベル“エクスタシーレコード”から発表したアルバム『Vanishing Vision』からすでに他の追随を許さないポピュラリティーの高さを発揮。そして、翌年リリースしたメジャーデビューアルバム『BLUE BLOOD』ではさらなるハイクオリティーをまざまざと見せつけ、その年だけで60万枚のセールスを記録し、邦楽シーンに地殻変動を起こした。

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最終更新:12/1(土) 18:00
OKMusic

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