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飼い主のいない犬猫に無料で不妊手術 受け入れ拡大へ支援募集

12/1(土) 10:20配信

sippo

 2017年度に全国の保健所などで殺処分された犬や猫は約4万3000匹。こうした不幸な犬猫を減らそうと、飼い主のいない犬猫への無料の不妊手術や、けがの治療などに取り組む動物病院が神奈川県にある。移転にともなって設備を充実させ、受け入れ数を倍増させようと、現在、クラウドファンディングで資金を募っている。

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 その病院は川崎市川崎区の「TNR日本動物福祉病院」。立ち上げたのは、動物福祉に取り組む女性、結昭子さん(63)だ。

 結さんが動物保護に本格的にかかわるようになったのは約30年前。「猫がいっぱいいる」と聞いて自宅近くの公園に行ってみたところ、植え込みや駐車場など、あちこちに子猫やおなかの大きい猫がいた。

「こんなところで生むなんて、かわいそう」と、1匹を連れて帰り、その親猫から生まれた子猫5匹のもらい手を探した。そのときは幸いにも、もらい手が見つかったが、公園にはまだまだたくさんの猫がいた。ウイルスに感染し、短期間に何匹もの子猫が死んでしまったこともあった。

野良猫に不妊手術を

「このままではどんどん行き場のない子が産まれて、死んでいってしまう」

 そう思った結さんは仲間とともに野良猫を保護したり、不妊手術を受けさせたりする活動を始めた。家近くの空き倉庫を借り、協力してくれる獣医に来てもらい、月4回、猫の不妊手術を格安でしてもらった。

 それ以外の日もできるだけ動物にかかわっていくために、それまでの職場は辞め、ペットフードの販売などで生計を立てた。

50歳で志を立てる

 2005年、結さんが50歳になる前に、その倉庫が建て替えで使えなくなるという話が持ち上がった。それを機に、結さんは「殺処分ゼロ」を目指して、動物福祉を目的とした動物病院を作ろうと決意した。誕生日にあわせて「五十歳の志」というタイトルの文章をブログに掲載し、病院開設への思いをつづった。

「私に残された人生、動物達のために、社会のために貢献できることは何か、私自身に何ができるのか、よく考えてみました。何もかもはできません。とにかく、不妊手術を施すことで、不幸な命の発生を未然に防ぐことが重要。飼い主がいる犬猫も飼い主のいない犬猫も、同様にその命を尊重し、特に、恵まれない弱い立場の動物達も、病気や怪我の治療が受けられるようにしてあげたい」

「資金がないからといって、10年後の開設では、遅すぎます。体が十分に動くうちに始めるには、遅くとも5年後には、開設しなければなりません」

 それまでの活動で資金はほとんど使い果たしていたが、仲間といっしょに5年間で約900万円を集め、5年後の2010年には本当に福祉病院を実現してしまった。不妊手術についてはメス6000円、オス5000円と金額を抑え、病院全体の運営費は一般の診療やペットホテル、ペットフードの販売などの利益でまかなうことにした。

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最終更新:12/1(土) 10:20
sippo

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