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【番匠谷紗衣 インタビュー】ふと孤独を感じた時に寄り添える曲を作りたかった

12/1(土) 10:02配信

OKMusic

シングル「ここにある光」(ドラマ『科捜研の女』の主題歌)でデビューする番匠谷紗衣。自身の気持ちや想いを伝え放つ楽曲群はもとより、繊細さと力強さが同居し、慈しみも宿したその独特の歌声は高い評価を得ている。年齢や実際のキャラクターからは想像もつかないその世界観は多くの方を魅了するに違いない。

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──お会いして驚きました。歌とキャラでかなりのギャップがありますね。

よく言われます(笑)。どういったイメージをお持ちでしたか?

──クールで大人びた、凛とした感じの方だろうと。

確かにそういった面もありますけど、それは主に歌の方面の私で。もともとは目立ちたがり屋で、人前で歌うことも好きな明るいタイプやったんです。でも、家庭環境から中学時代に引きこもりになってしまい…。外に出たら演じている自分が居て。そうやって差を埋めてはいましたが、徐々にその隙間が空いてきて、自分でも埋めれへんようになったんです。そんな時に音楽に救われて。その頃に聴いた曲や書いていた言葉が今も根本にあるから、未だに曲と実際の自分とにギャップがあるんでしょうね。

──では、今後はその辺りもさらに埋まっていったり?

かもしれないし、逆にまた開いていくかもしれない。実際、歌のほうが自分の感情や気持ちを上手く伝えられるので。

──それは?

14歳の時に初めて作った曲で、そのことに気付いたんです。当時の友人が悩んでいた時に上手く言葉で伝えられなかった際も、その気持ちを歌に乗せたらスッと表すことができて。しかも、それがきちんと伝えたかった人に伝わったんです。そこからですね、私は歌にして気持ちを伝えたほうが伝わるんだと思ったのは。

──その歌の届け方もまちまちですね。ストレートに伝えるものもあれば、いろいろなものを含ませた伝え方もあったり。

私の中ではババーッと書き殴ったタイプと、すごく考えて何度も練って書き直してできるタイプの2種類があって。そのどちらも自分の中から出てきたものとして大事にしているんです。

──後者はその年齢では珍しいのでは?

その辺りは今回の「ここにある光」以降ですね。この曲は高橋久美子さん(元チャットモンチーで現在は作詞家等)に歌詞をブラッシュアップしていただいたんです。それがほんま勉強になって。ひと言ひと言吟味して伝わりやすい言葉を推敲する、その大事さを学びました。それまでは自分の伝えたいこと、歌いたいことが前面に出て、気持ち先行だったんです。さっきの書き殴るタイプの歌詞みたいな。でも、最近は“どうやったらより伝わるか?”“共鳴してもらえるか?”“心に寄り添えられるか?”に気持ちが移ってきてます。

──その辺りはかつてリスナーだった頃の自分のように、曲に聴き手が気持ちを重ねて完成を魅せる、そこを大切にしてのことだったり?

ですね。私の書く曲は自分の気持ちも歌ってはいますが、誰かひとりの相手に向けていることが多くて。そこでその気持ちに共感してくれる方がいたら嬉しいです。各人が各々の人を思い浮かべながら聴いてもらえる、そこが理想で。音楽にはそれが実現できる魔法が絶対にあると信じてるんで。

──では、この「ここにある光」もその辺りを考えながら作ったり歌ったり?

そうなんです。それこそ孤独を感じる時や寂しいと思う瞬間…私は上京当時にそう感じたんですが、そんな時のその気持ちを歌にしたのがこの曲で。基本的に私は、そんな気持ちになった際に心に寄り添える曲を作りたくて。いろいろな人のいろいろなタイミングで孤独はあるでしょうから、そんな気持ちに寄り添えたらなって。聴き終わった時、それまでの息苦しさから解放され、心がほぐれたりする歌になってほしいと思って作り歌いました。

──歌の表現力も素晴らしいです。

実は当初はもっと叫ぶ系の歌だったんです。“すぐデビューしたる!”という想いが当時からこの曲にはあったので。去年の2月のワンマンライヴで初披露した際ももっと異なった感じでした。でも、仮レコーディング時に“あっ、違う”と感じて今の歌表現にシフトしていったんです。

──先ほどの高橋久美子さんとの共作の話が出ましたが。

より伝わるように言葉の言い回し等を客観的に見てくださいました。もともとの歌詞をキャッチボールしながらブラッシュアップしてくださったというか。実は上京してすぐの頃、高橋さんとお会いする機会があって、いろいろと歌詞を書くことに関して教えていただいたんです。で、本人にはまだ言ってませんが、その日の夜にガーッと書いたのがこの曲で。いろいろな意味で高橋さんが居てくれたからできた曲でもあるんです。

──カップリングの2曲はカバー曲ですね。

当初は全部オリジナル曲でいこうとも思ってたんです。だけど、最初の作品で私の原点になる一枚になると考え、これまでもっとも数多く歌ってきた大好きな曲と、この曲をきっかけにいろいろな人と出会い、チームができ、一緒に作り上げることの素晴らしさを知った大事な曲のカバーを入れました。

──それが尾崎 豊さんの「Forget-me-not」と、スティーブン・フォスターの「Beautiful Dreamer」ですね。

尾崎さんの曲は私が中学時代に音楽に救われてからずっと好きで聴き続けている曲で。あの頃もそうですが、これからもこの曲に救われていくんだろうなと。片や「Beautiful Dreamer」は以前にWEB CMで使用してもらっていた楽曲で。

──こちらはハーモニーの多重録音も魅力です。

自分で聴き返しても感動でしたね。一声一声を別々に歌ったんですが、それらが全部重なった際の感動といったらもう…なんたって16声も重ねましたから。

──がゆえ、肉声ならではのエアリー感や温かみが感じられます。

そこがポイントで。神聖さがあるんだけど、ちゃんと人間味がある。その辺りは上手く出せたかなと。この曲は夢に向かって頑張っている人に向けての曲でもあるので、肉声ならではの光に向かっていくような明るさや包み込む感じを表してみました。

──では、最後に今後のビジョンや目標を教えてください。

まずは12月の東名阪のワンマンライヴですね。これは弾き語り形式で。あえてギター一本で直に伝える、そんなワンマンを10代最後にやります。これからどうかたちが変わっていっても、これが原点だというところを観てもらいたいのと、大事にしていきたいことも含めて。私も剥き出しで歌うので、そこに共鳴してもらえたら嬉しいです。先の目標としてはやはり地元・大阪城ホールでのワンマン! これもいつかは実現させたいですね。

取材:池田スカオ和宏

OKMusic編集部

最終更新:12/1(土) 10:02
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