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起業国家イスラエルを生んだ「ボーっと生きてんじゃねえよ!」の精神

12/2(日) 17:00配信

FNN PRIME

イスラエルの「スタートアップ・エコシステム」を探る

「起業国家」イスラエル。

建国わずか70年のこの国は、いかにしてハイテク国家へと変貌を遂げたのか? その詳細を解説した書籍「Start-up Nation」は2009年にアメリカでベストセラーとなり、その後「起業国家=イスラエル」というイメージは定着した。

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毎年800~1,000件規模のスタートアップが生まれ、グーグル、アップル、マイクロソフトなどのテックジャイアントが買収、提携を繰り返す。

しかし遡るとその歴史は短くそしてシンプルだった。ある時を境に起業国家の以前と以後が明確に分かれている。90年代に国家主導で行われた「ヨズマ・プログラム」が全ての始まりだったと言う。

FNN.jp編集部はイスラエルで有数のベンチャーキャピタルVertex Venture Capitalを訪問し、ゼネラル・パートナーのDavid Heller氏に話を聞いた。

すべては「ヨズマ・プログラム」から始まった

「我々はもちろん政府の政策を批判することもある。ただし、この政策にはとてもとても感謝している」

と、Davidが語る1993年に政府主導で行われた「ヨズマ・プログラム」。ヨズマとはヘブライ語でイニシアチブを意味する。

クレイジーなアイデアとともに、自ら小さく会社を興し大規模に育てるには、投資家、いわゆる「リスクマネー」が必要。

イスラエル政府は自国にベンチャーキャピタル業界を根付かせる為に、100億円を投資資金として用意し10件のファンドに分け、それぞれ民間機関と連携を取りながらベンチャー投資を行った。Vertex Venturesもその10件に採択された1社だった。

国家が主導した投資プログラムが成功の要因

「我々はもちろん政府の政策を批判することもある。ただし、この政策にはとてもとても感謝している」

と、Davidが語る1993年に政府主導で行われた「ヨズマ・プログラム」。ヨズマとはヘブライ語でイニシアチブを意味する。

クレイジーなアイデアとともに、自ら小さく会社を興し大規模に育てるには、投資家、いわゆる「リスクマネー」が必要。

イスラエル政府は自国にベンチャーキャピタル業界を根付かせる為に、100億円を投資資金として用意し10件のファンドに分け、それぞれ民間機関と連携を取りながらベンチャー投資を行った。Vertex Venturesもその10件に採択された1社だった。

ヨズマ・プログラムの狙いは見事に的中、アメリカを中心とした民間VCのリスクマネーが大量に流れ込み、90年代後半のインターネット・バブルの波も受け、大成功を収めた。

「政府のこの政策は今日のイスラエルにおけるスタートアップ・エコシステムの決定的な土台となっています」

「日本の若者は大企業に就職したがるでしょう(笑)? イスラエルの若者たちは(このエコシステムがあるおかげで)むしろ小さく会社を立ち上ることを望み、自分たちが『他とは違う』ことが何より重要だと考えているのです」

近年では日本を含む各国がこのモデルを研究するためにイスラエルを視察し、韓国は2014年の朴槿恵(パク・クネ)大統領時代に、当時の責任者で現在はヨズマ・グループ会長のイガール・エルリフ(Yigal Erlich)氏と、韓国版ヨズマ・ファンドを開始した。

90年代前半、インターネットビジネスが花開くかどうか分からないタイミングでの思い切った政策。資源も市場もない自分たちには「戦略」しかない。そんな国の姿勢が感じられるエピソードだった。

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最終更新:12/2(日) 17:00
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