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【JYOCHO インタビュー】この5人はみんなJYOCHOが大好き!

12/2(日) 10:02配信

OKMusic

いよいよ本格的なバンドになってきたJYOCHO。1stフルアルバム『美しい終末サイクル』のリリースタイミングでは初めてメンバー全員でのインタビューに臨んでくれた。

JYOCHO インタビューのその他の写真

──今回はバンドメンバー全員での取材ですね。

だいじろー:今まではひとりでインタビューを受けてましたけど、このメンバーに満足してるし、本当はもっと早くからやりたかったんです。

猫田:私以外の4人は関西に住んでるから、ライヴ以外でこうやって揃うのは珍しいね。

hatch:僕はインタビュー自体が初体験なんですよ、今日。

猫田:私は喋るのが下手なので、いつも初めてな感じです(笑)。

だいじろー:猫田さんだけ、原稿上では侍言葉にしといてください。語尾は“ござる”で。

はち:あははは!

hatch:一人称は“拙者”で。

sindee:ややこしいこと言うなや!

──お名前ですけど、はちさんとhatch(ハッチ)さんで合ってますよね?

はち:そうなんですよ~!

だいじろー:普段は(hatchのことを)石黒って呼んでますけど。

hatch:いちいち嘘つかんでええから。

だいじろー:(笑)。ややこしいままです。“はちさん”“ハッチくん”みたいな。

sindee:海外やと通じへんかったもんな。

hatch:10月に香港でライヴをしたんですけど、ゲストで出てもらった地元バンドのGDJYBのメンバーがめっちゃ混乱してた。“ハチ? ハッチ!?”みたいに。

はち:逆に、sindeeは響き的にウケがいい(笑)。

猫田:発音しやすいんだよね、“シンディー!”って。

──香港のライヴはどうでした?

だいじろー:大成功やったと思います。

猫田:でも、5弦ベースのアクシデントあったよね?

sindee:そうそう。「互いの宇宙」(2018年3月発表のシングル「互いの宇宙 e.p」収録曲)で使うんですけど、向こうで用意してもらってたベースの音が出なくて。4弦ベースを2音半下げして、Slipknotより低いチューニングでなんとか再現しました(笑)。海外のトラブルが多いですね、このバンド。

hatch:香港でのライヴ中に非常ベルも鳴ってたし。

sindee:ライヴ中にお客さんが開けちゃあかんドアを開けちゃったらしくて。

だいじろー:それ、僕のFacebookに謝罪が来てました(笑)。

sindee:まぁ、そんなのも含めて楽しめるようになってきてますよ。

──1stフルアルバムをこの5人で作ったことで、さらにバンドらしくなってきてる感じでしょうね。

だいじろー:はい。みんなで話し合いをする場面も増えてきたし。ライヴのセットリストにしても、アレンジにしても。

はち:わいわいしかしてないね。

hatch:冷静に振り返ると、今こうなったのは不思議と言えば不思議か。最初のミニアルバム『祈りでは届かない距離』の時はアーティスト写真もだいじろーひとりで、ソロプロジェクトとしてのサポートメンバーの感覚やったんですけど、2ndミニアルバム『碧い家で僕ら暮らす』(2017年9月発表)からはサポートと割り切ってはできないと思いました。特殊な音楽性やし、もっと自分のバンドとして向き合うのが自然というか。

sindee:楽曲を作ったりライヴに向かったりするうちに必然的にそうなっていったよね。入り込まんと表現できへんとこもあるし、何より自分が好きな音楽なので、楽曲への想いも深くなりますしね。ベースでもっとこうしたいとか、単純にリスナーとしても興味が尽きないですね、JYOCHOは。

はち:私も同じ感じですね。自分がやれることは全力でやる。

猫田:初めて歌わせてもらった時からスッと入りやすかったかな。ヴォーカルに関して、すごく任せてくれる感じもあったので。

はち:でも、猫ちゃんが入る前はライヴをするビジョンもあまりなかったよね。そう思うと、ここまで来たのは新鮮かな。今回のアルバムのツアーも8カ所あって、東名阪だけじゃなくいろんなところに行けるから、5人での車移動も初めてだし。その画は想像してなかったです。

だいじろー:それはほんまに楽しみやね。曲もめっちゃ増えたし。

猫田:「つづくいのち」「pure circle」のサビとかはお客さんも歌えるんじゃないかな? 私の願望なんですけど、ノリやすいと思うので一緒に歌いたいなと。

──だいじろーさんに対する最初の印象はどうでした?

hatch:僕はもともと宇宙コンビニを一方的に知ってたんで、テクニカルで良いメロディーを書く人なのは分かってました。ただ、だいじろーの…ふざけっぷり? 最初は理解できなかったなぁ(笑)。忘れられないやり取りがあって、LINEやったかな。“最近どんな感じ?”みたいなのを送った時に、“怒りながらパスタ作ってます!”って返信が来て。

全員:あはははは!

hatch:今やったらだいじろージョークと受け取れるけど、“なんか嫌なことでもあったんかな?”みたいに真に受けてたんですよ。音楽性としてはJYOCHOで自由度が増したんで難解にはなったものの、聴き終わったあとにカッコ良いと思えるし、深い感動がちゃんと残る曲を作るなぁと。それはずっと変わらず続いてますね。

sindee:だいじろーは曲作りがすごく早いし、リーダーとして客観性も持ちつつタクトを振ってくれるんです。“このフレーズを作ってきたから弾いてくれ”という感じでもなくて、僕らの意見もフィードバックするように進めるし。

はち:ポンともらって、すぐに理解できる曲ではないよね。私はきっちり何拍子かを全部書いてから取り組むタイプなんですけど、どうしても分からないところはだいちゃんに訊くんですよ。でも、“俺も分からない”って言われたり(笑)。

だいじろー:デモ段階ではまだ決めかねてる場合もあって、どっちにも転べるように弾いてたりするんで、クリックをはめた時にはまらないんですよ。レコーディング当日まで放置してたりもある。メンバーが有能で助かってます。みんな僕より年上で頼れるから!

──あ、だいじろーさんが一番若い?

hatch:そうです。

sindee:でも、このバンドはあまりそういうの感じないんです。年齢関係なく、人として合うので。みんなJYOCHOが好きだし、だいじろーは年下でもリスペクトしてるから。

猫田:うん。デモをもらったときはいつも“カッコ良い!”って思うしね。感覚的にはすぐできそうな気がするんです。みんなと違って私は音楽の知識が未熟なので。いざ練習し始めてみて、難しさが分かるっていう(笑)。で、とにかく歌いまくっていきますね。だけど、カッコ良いから楽しく歌ってるよ。

だいじろー:ありがとう(笑)。

猫田:私も別のバンド(heliotrope)をやってて曲も作ったりするけど、自分のできる範疇でしか作れなくてちょっと飽きてた時でもあったから。今はそのつまらないなんて思った期間がもったいなかったというか、別のステップに上がれて音楽を習得してるのが楽しい。新たな発見ばかりで、修行中って感じですね。こんなに尊敬できるメンバーの中に入れてもらえてるんで。

──JYOCHOの音楽って、どんなところが新鮮ですか?

猫田:私はテンポですね。リズムを取るのがすごく難しい。だんだん理解が深まってきた感じだけど。

sindee&hatch&はち:(しみじみと頷く)

hatch:8ビートを叩いてればいいっていうバンドじゃないからなぁ。そんな曲はほとんどないか(笑)。ちょっと語弊があるかもしれないですが、一般的なバンドミュージックの成り立ち方ってドラムがシンプルな土台のビートを形成して、そこにギターとかで彩っていきますよね。でも、だいじろーの場合、結構ドラムとギターを並列に存在させるので。

──言われてみれば、そうですね。

hatch:「つづくいのち」のリフレインとか「美しい終末サイクル」のイントロとかは、ギターのアクセントにドラムが呼応してる感じなんです。僕はドラム歴そこそこ長いけど、こうだと思い込んでたものがどんどん崩れていく快感があります。「my rule」なんかはアルバムで一番好きかも。やわらかさと暗さと冷たさみたいなのが独特で。難易度で言うと、「こわかった」が苦労したかな。

だいじろー:「美しい終末サイクル」のイントロはお気に入りですね。アコギでこの拍子感をやった人はあまりいないんじゃないかなって。メロディーの入れ方もすごく納得がいってるし。

猫田:前にも増して、みんなで作ったJYOCHO感が構成されてるよね。「わたしは死んだ」はほぼ同じメロディーが出てこないんですけど、私としては全然覚えるのが苦じゃなくて。レコーディングでスタッフさんに“よく覚えたね”って言われた時、やっぱりこの5人は好きなものが一緒なんだと思ったりしました。“覚えなきゃいけない”みたいではないというか。

sindee:作品ごとにどんどん記録を更新してる感じやな。

だいじろー:最高情緒新記録更新!

はち:私たちはその瞬間に“出たな!”とか言うてますね(笑)。だいちゃんの世界観をみんなが理解してきて、この5人でいる空気感を全員が楽しめてきてるんじゃないかな。「family」と「太陽と暮らしてきた」を再録できたのも良かったです。猫ちゃんのヴォーカルでも聴いてみたかったし、前と全然違うグルーブもすでに出てるし。

だいじろー:どっちのテイクも好きやけど、演奏面は今回のほうが好きですね。バンドでいい揺らぎがしっかり共有できてる感じがする。

はち:あとは「Aporia」の間奏のフルートソロ、吹ける人あまりいないと思う。

sindee:JYOCHOはいろんな聴きどころがあるんで、歌やギター、ドラム、フルートのあとにベースも気にしてもらえたら。結構いいの弾いてるんで(笑)。「sugoi kawaii JYOCHO」ではチャレンジしすぎて腱鞘炎になりましたから。

hatch:以前ライヴでやってたのとは、バージョンがガラッと変わったもんな。

だいじろー:マイナーチェンジしてますね。

hatch:マイナーちゃうわ!(笑)

──これまでだと“互いの関係性”や“記憶を辿ること”がテーマにあったけど、今回のアルバムを作る上で何か意識しましたか?

だいじろー:このフルアルバムで総括というか、一度それらを完結させてみようかなと。世の中に存在してる法則やサイクルを、12曲を通して描きたいのもありました。ただまぁ、僕が楽曲に落とし込みたいのは広くて抽象的なものだったりするので、ダイレクトに世の中を言及したわけじゃないですね。いろいろ想像できる表現やと思います。

──死生観をイメージさせるような言葉も多い気がしました。

hatch:そうですね。

だいじろー:うん。一方がこうやったらその逆の視点も存在するみたいな、感情の両方は引き続き意識して。「my room」のような個人レベルに帰着した曲もありますね。

──「つづくいのち」「美しい終末サイクル」「わたしは死んだ」はタイトルだけ取っても、自分の根本を見つめ直して何かしらの結論を出したかったのかなと。

だいじろー:はい。今まで考えてきた自分なりの哲学をまとめたかった想いはあって。実際そんなに簡単じゃなくて、結果的にはまとめ切れなかったけど、次の作品に別のかたちでまたつながればいいかな。「こわかった」でいい結び方ができたので。

──というのは?

だいじろー:「こわかった」は自分の話なんです。今後のイメージができるようになってしまったのが…ってことで。

hatch:展開が見えてしまうというか。

だいじろー:そんなイメージやね。めちゃくちゃ嬉しいことがあって泣くくらい喜ぶ場面も、どのくらいのもんかが想像できちゃうんじゃないかみたいな。でも、この怖さを考えるのは大事やったし、もっと探していかなあかんなと思いました。せっかく生きてるから、自分を超えてくるものを。考えるうちに見たことがないものを見るのが目標になったんで、逆にポジティブになれたんです。

猫田:デモで全曲のタイトルだけを最初に見た時は“終末”“死んだ”“こわかった”でドキッとして、だいじろーさんに“大丈夫?”って訊いちゃったもん。

だいじろー:すごく心配されました(笑)。

猫田:でも、歌詞を見て歌ってみると、その単語通りのストーリーというわけでもなかったんですね。そこはリスナーの方に読み解いてもらえたら嬉しく思います。

hatch:“暗いことばかりだけど、頑張っていこう”みたいな安易な前の向き方じゃない、JYOCHOなりの光の見出し方があるよね。

──「こわかった」は「tree,stone」(2017年9月発表のミニアルバム『碧い家で僕ら暮らす』収録曲)のメロディーが最後にコーラスで入ってきますね。

だいじろー:ああ、そうです!

hatch:面白かったな。「こわかった」のデモを聴く時に、だいじろーから“このメロディー、すでにあるっけ?”って言われたんで。

だいじろー:これは無意識で入れてたね(笑)。コードに対しての僕のメロディーの入れ方には自分が見つけた内緒のヤバい手法があって、それにもとづいて付けてるんですよ。結局、そのままにしましたけど。

hatch:「つづくいのち」では「碧い家」(『碧い家で僕ら暮らす』収録曲)の歌詞を引用してるし、「美しい終末サイクル」で《ルール》と使った上で「my rule」って曲もあるとか。このへんは意識的に入れただいじろーらしい仕掛けですね。

はち:もうね、全曲頑張った。私は“やったー!”が口癖なんですけど、今回はかなり言いましたね。リリースしてからライヴで演奏するのもすごく楽しみで、ぜひレコ発も各地来てほしいです。いっぱい“やったー!”が出ると思うので(笑)。

だいじろー:JYOCHOの“やったー!”を観に来てください。よろしくお願いします!

取材:田山雄士

OKMusic編集部

最終更新:12/2(日) 10:02
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