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【平成家族】修学旅行先にクール宅配便で弁当 アレルギーの息子の命守りたい、でも…… 担うのは私だけ?

12/3(月) 14:03配信

朝日新聞デジタル

 赤ちゃんの10人に1人、小学校ではクラスに1人くらいに何らかの食物アレルギーがあると言われます。重いアレルギー反応は生命に関わるだけに、細心の注意を払いながら毎日食事を作る親たち。でもこれって母親だけの仕事? もやもやを抱え、食と向き合う人がいます。(朝日新聞記者・松本千聖)

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万一のため、修学旅行先の食事も用意

 小学6年生の長男(12)を育てる関東地方の女性は、この夏、息子の修学旅行の宿泊先に、クールの宅配便で弁当を届けました。コロッケやウィンナー、デザート、サラダに添えるドレッシングまで、なるべく宿の献立に近づけました。

 食事に万一、アレルギーの原因となる物質が含まれていたら――。その心配からでした。

 長男は赤ちゃんの頃からアトピーが、その後、卵や牛乳、小麦などへのアレルギーがわかりました。保育園はアレルギーへの対応に慣れていて、こうした食べ物を除去した給食を出してくれました。ですが、小学校に入ると状況が一変しました。

《食物アレルギー》特定の食べ物で起きるアレルギー反応。じんましんや下痢、嘔吐(おうと)など、人によって様々な症状が出る。2013年の文部科学省の調査によると、小学校では4.5%の子に食物アレルギーがあり、2004年の2.8%から増加傾向にあった。

息子のため、給食と同じ献立の弁当

 「調理場では小麦が舞うこともあるかもしれない。命にかかわりますので」

 学校側から、弁当の持参を打診されました。2012年に東京都調布市で小学校の給食を食べてアナフィラキシーショックを起こした女児が死亡する事故があった直後。教育現場もピリピリしていたといいます。

 入学後、毎日、弁当を作るようになりました。「みんなと同じものが食べたいだろう」と思い、前日に献立表をチェックし、なるべく同じメニューになるよう努めました。前もって作るものを決め、買い物に。毎日欠かさず作ることへのプレッシャーを感じます。

 自分の仕事もあり、次第に弁当づくりが大変に。果物だけでも出してほしいと学校に頼みましたが、調理中の小麦などが混入する危険があると断られました。「ラップをしておくなりして対応してくれれば……」。そう思いつつ、学校との関係が悪くなるようで言い出せませんでした。

《アナフィラキシーショック》食物アレルギーの症状の一つ。複数の臓器などに症状が出て、血圧の低下や意識障害などを伴った重篤なものを指す。

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