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スティグマにどう対処するのか? 当事者の語りに触れること

12/3(月) 11:02配信

BuzzFeed Japan

杉田水脈議員の「生産性がない」発言をきっかけに、社会的マイノリティと呼ばれる人々が分野を超えて集った院内対話集会「政治から差別発言をなくすために私たちがすべきことは?」。

基調講演をした東京大学先端科学技術研究センター当事者研究分野准教授の熊谷晋一郎さんは、社会によって刻まれたマイナスの烙印、スティグマについて語り、それを解消するために私たちは何をしていけばいいのか提案しました。
【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】

他者にだけでなく、自分の属性にも向けられるスティグマ

スティグマというのは、総合的なアプローチをしていかないと対処できません。

ここは大事ですから、時間をかけて説明しますが、スティグマには二つの主要なタイプがあるとされてきました。しかし実は、二つという分類は古くて、最近は三つあると言われていますので、三つに修正して説明します。

一つ目は「公的なスティグマ」です。

これは何かというと、非当事者が当事者に対して持っているスティグマのことを指します。

例えば、男性が持っている女性へのスティグマは、公的スティグマです。あるいは健常者が持っている障害者へのスティグマ。これも公的スティグマです。

問題はその次の「自己スティグマ」です。これは、当事者が当事者に対して持ってしまうスティグマのことです。

例えば、障害者が障害者に対して持ってしまうスティグマがあります。

それは、ある時には自分自身の価値を下げるように働きます。「こんな価値のない私は、困った時に人に助けてと言う権利もない」と考えて、援助希求行動、つまり、困った時に誰かに助けを求める行動を取れなくさせるのも自己スティグマの重要な影響です。

または仲間同士で連帯しようとする時に、自分と同じ属性を持っている人への嫌悪感を抱くことがありますが、これも自己スティグマです。

女性でいえばミソジニー(女性蔑視)があります。男性もミソジニーはありますけれども、女性同士のミソジニーというものがあるのです。

女性運動だけではありません。障害者運動であっても、障害を持った人同士で、自分の障害を憎むだけではなく、同じ障害を持った仲間を憎んでしまうことが起きます。

例えば、同じ属性を持った仲間が勇気を持って社会に対して異議申し立てをした時に、「そんな恥ずかしいことやめてくれ」「あんな風に周囲に攻撃性を発揮したら、こっちまでネガティブに見られてしまうじゃないか」と仲間への違和感を抱かせます。

健常者同士ではあまり起きないことです。ある健常者が社会運動をしたとして、他の健常者が「やめてくれ。健常者のイメージが悪くなる」とはあまり言わないですね。

こういう自己スティグマの問題は非常に重要な問題です。これは全てのマイノリティー属性において起きる話です。

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最終更新:12/3(月) 11:02
BuzzFeed Japan

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