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失業者162万人…“外国人労働者”を受け入れる日本は「人手不足」なのか?

12/3(月) 21:11配信

TOKYO MX

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。11月28日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、作家の田中康夫さんが、外国人労働者を受け入れる前に日本がすべきことについて語りました。

外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法(入管法)改正案が衆議院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数により可決され、参議院に送られました。本会議に先立つ衆議院法務委員会では、立憲民主党など野党の反対を押し切り、採決を強行した形です。

◆“完全失業者”や“若年失業者”に職業訓練を

政府は、2019年からの5年間で最大34万5,000人の外国人労働者の受け入れを見込んでいるとの試算を示しています。これについて、田中さんは「そもそも日本は人手不足なのか」と問いかけました。というのも、総務省統計局が公表している「労働力調査」によると、すぐに就業可能で、求職中にもかかわらず全く仕事に就けないでいる“完全失業者”が国内には162万人もいると言います。このような現状を踏まえ、次のように主張しました。

「求職者に能力がないのか、それともマッチングしていないのか、その議論がなされていない」

さらに、内閣府の2018年度版「子ども・若者白書」によると、若年層で仕事をしていない“若年無業者”の数が71万人に上るそうです。OECDの定義によると、若年無業者とは、高校に進学せず、就職もせず、職業訓練も受けていない“取り残された若者”、あるいは、高校の修了資格は持つものの、安定した雇用を得るのが難しく、一時的に失業・無業状態を頻繁に繰り返す“社会に上手く入り込めない若者”とされています。

これらの“完全失業者”や“若年無業者”の人たちに職業訓練をするなどの議論や取り組みをすることなく、外国人労働者の受け入れに関することばかりを進めようとする動きに、田中さんは以下のように訴えました。

「国がやるべきことは、こうした仕事に就けないでいる人、または働く気のない人に働くことの喜びを与えること。それが職業訓練ではないのか」

◆内部留保を増やすのではなく、世間にお金を回すべき

田中さんは、財務省が発表している法人企業統計のデータを紹介しました。それによると企業が賃金や設備投資には回さず、手元に残している2017年度の「内部留保」の総額は、507兆4,454億円に上るそうです。この額は日本の1年間のGDPとほぼ同額で、前年度比10.2%増だとか。

こうした状況に、田中さんは「内部留保を増やすのではなく、世間にお金を回すことが必要だ」と訴えます。そして、「なぜ日本の生産性が低いのかを分析し、生産性を上げるのを目指すほうが大事なのでは」と主張しました。

弁護士の田上嘉一さんは、企業がグローバル化していくためには従業員の賃金などの費用をなるべく抑え、「内部留保」を貯める必要があると言います。しかし、「それが経済的な悪循環を生んでしまっている」として、次のような影響が世界中に出ていることに懸念を示しました。

「経済のグローバル化の影響で、世界各地で中間層が衰えている。中間層があるからこそ民主主義が成り立っている。特に少子化問題を抱えている日本にとっては深刻な問題だ」

最終更新:12/3(月) 21:11
TOKYO MX

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