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11年の専業主婦期間を経て復職。女性医師を支える女子医大の使命

12/3(月) 11:31配信

FNN PRIME

東京医科大学に端を発した入試差別問題。その背景には出産・育児により離職しがちな女性医師を敬遠したという見方がある。

【画像】11年のブランクも「引き出しが増えた」と語る山口あけみ医師

一方、そんな女性医師たちにとっても、いざ復職したいとなった時に抱える悩みがある。

前回の記事で女性医師の就業率の変化を示すM字カーブのグラフを紹介したが、出産・育児により一時離職する女性医師が復職の際に抱えるのは、ブランクにより生じる、スキルや知識への不安。

そんな女性医師に向けて、スムーズな復職をサポートする仕組みが、日本唯一の女子医科大学である、東京女子医科大学にあった。女性医療人キャリア形成センター女性医師再研修部門の女性医師再研修-復職プロジェクトだ。

センターの発足は平成18年にさかのぼる。

当時の医療業界では、平成10年ごろより医学部に入学する女子学生の割合が3割を超え始めたため、その急激な増加に対して厚生労働省は、今後女性医師の増加に伴い産休・育休で離職する女性医師が増え、医師不足がさらに加速するだろうという見通しを発表した。

それに対し、同大学に所属する医師たちの見解は異なるものだったという。部門長を務める石黒直子医師、そして実際に女性医師からの相談を担当する副部門長の横田仁子医師に話を聞いた。

女子医大としてノウハウを伝える使命

「女子医大の付属病院には、女性医師は産休・育休で一時的に休職することがあったとしても辞めずにキャリアを継続して活躍している、という実例がすでにありました」(横田医師)

実際、石黒医師には29年前と24年前に出産・産休を経て復帰した経験があった。

「女子医大は子どもを保育園に預けて働くのが当たり前な環境で、私が33年前に入局した当時もすでに1、2人子どもがいて常勤で働く女性が医局に7名いました。当時は時短制度もなく、もちろん大変だけど続けている、そういったロールモデルがすでにいたので、ああやって私もできるんだな、と思えたわけです」(石黒医師)

「それが他の病院は、ロールモデルがなく復帰と両立のノウハウを知らないだけで、また復帰した医師の働きやすい環境が無かっただけだろう、と。そこから、女子医大としてやるべきこと、私たちの持つ知見を広く伝える機関を設立するに至りました」(横田医師)

復職支援においては、申請後にまずヒアリングと面談を行い、その後必要に応じて実際の臨床研修を行う。

ほかにも、シミュレーション機械をつかった内視鏡や超音波検査、採血などの手技を学び直す研修も開催するという。

「面談させていただくと、実力的に問題なくすぐ復職できるのでは、という方が多いです。実際、約半数は相談のみで復帰に進まれます。とはいえ、不安が拭えない方もおられるので、その場合には臨床現場で研修を受けていただくと、自分で『できる』と実感でき、不安が解消されたとおっしゃられます」(横田医師)

発足以来12年でのべ268人の相談者を数える。

設立当初の思いの通り、女子医大の卒業生以外の医師も広く受け入れており、実際相談者の約8割が他大学の出身者だという。

また、座学として育休中でも在宅でスキルや知識を学べるe-ラーニングも行っており、こちらの登録者は、のべ5200名にものぼる。

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最終更新:12/3(月) 19:26
FNN PRIME

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