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アメリカ最後のエリート大統領が逝った

12/3(月) 20:30配信

FNN PRIME

東西冷戦を終結させた大統領

アメリカの第41代大統領、ジョージ・H・W・ブッシュ氏が死去した。
1980年代は外交の世界に身を置き、1990年以降はメディアの立場で国際情勢をウォッチしてきた筆者にとって、H・W・ブッシュ大統領は、東西冷戦を終結させ、ドイツ再統一を実現させ、湾岸戦争を勝利に導いた大統領だった。

(画像)妻バーバラさんを亡くしてからは入退院を繰り返し・・・

と同時に、初めて取材したアメリカ大統領選挙(1992年)で、ビル・クリントン氏の当選=H・W・ブッシュ大統領の再選失敗を伝えることになった。それは都合7回の大統領選挙の取材と選挙分析の原体験となっている。

最後のエリート大統領

振り返ってみてつくづく思うのは、「H・W・ブッシュ大統領は本物のそして最後のエリート大統領だった」ということ。下院議員、国交回復前の事実上の駐中国大使、CIA長官、副大統領という経歴だけでなく、職務に対する真摯な態度と人柄も特筆に値する。H・W・ブッシュ以降の大統領はと言えば、やんちゃで実利主義の42代クリントン、危なっかしくて頑固な息子の43代ジョージ・W、学者肌で有言不実行の44代オバマ、そして取引さえうまくいけば全て良しの45代トランプだ。何が違うって、高い公職にある者は大義のために謙虚に奉仕しなければならないという自覚の有無だ。「ノブレス・オブリージュ」とも言われるが、その大義とは自らの支持層や利益団体の枠にとどまらず、時には国境も越えて世界規模で考え、そのリーダーたれ!というものだ。当時はアメリカが今とは比べようのない圧倒的パワーを持っていたのだからとんだ時代錯誤に思えるかもしれないが、実はほんの25年前のことだ。

1992年11月の大統領選投票日の夜、筆者はアーカンソー州の首都リトルロックの州知事公舎前から「クリントン氏が勝利演説」を中継リポートしていた。そのしばらく前にヒューストンにいた当時のワシントン支局長から「H・W・ブッシュ大統領が敗北宣言」の一報を受けたのだが、待てども待てどもクリントン氏は登場してこない。後に有名になる「時間を守らない“クリントン・タイム”」の洗礼だった。

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最終更新:12/3(月) 20:30
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