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絶海の孤島 南硫黄島の原生自然紹介 小田原で企画展

12/4(火) 8:26配信

毎日新聞

 神奈川県立生命の星・地球博物館(小田原市入生田)で、企画展「日本最後の秘境 南硫黄島」が開かれている。10年ぶりに実施された学術調査の結果と、絶海の孤島の原生自然のすばらしさを紹介している。

 南硫黄島(面積3・5平方キロ)は、世界自然遺産に登録されている小笠原諸島の南端、東京から南に約1300キロに位置する。

 火山性地形で最も高い場所の標高は916メートル。平均斜度が45度と険しく、島の周囲は潮の流れが急なために、上陸することが困難を極めたとされる。人間が定住した記録がなく、1975年以降は「原生自然環境保全地域」として、許可なく立ち入ることができない島になっている。

 今回の調査は昨年6月に東京都などが実施。植物や鳥類、昆虫、陸産貝類のほか、土壌動物、菌類など未調査の生物群についても調べた。本格的な調査は82年、2007年に続いて3回目で、昆虫が専門の同博物館主任学芸員、苅部治紀さん(52)ら前回の調査に参加した各部門の専門家を中心に、島の経年変化も調査した。

 その結果、南硫黄島にしか生息しない固有種の「ミナミイオウスジヒメカタゾウムシ」が、36年ぶりに確認された。「幻のラン」と呼ばれ、絶滅したと考えられていた小笠原諸島固有の「シマクモキリソウ」も79年ぶりに再発見され、絶滅危惧種の避難地としての島の重要性が浮き彫りになったという。

 さらに、陸と海を往来する陸生甲殻類の「カクレイワガニ」が、1000メートル近い山頂部まで幅広く分布していることが確認され、トップクライマーぶりを見せつけたことも興味深いという。

 9日まで(4日は休館)。入場無料。【澤晴夫】

最終更新:12/4(火) 8:26
毎日新聞

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