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<外国人労働者は今>秋田の現場から(中)期待/進む高齢化 村の支えに

12/9(日) 10:00配信

河北新報

 国が外国人労働者の受け入れ拡大へとかじを切る。事実上の永住も認める在留資格を新設する方針で、国会で大詰めの審議が続く。全国最速で人口減少が進み、労働力不足が深刻化している秋田県では外国人労働者にすがりたいとの至情が膨らむ。一方で制度上の課題も多く残されている。期待と不安が交錯する現場に入った。(秋田総局・鈴木俊平)

<新制度は追い風>

 秋田県大潟村は1964年、八郎潟を干拓した土地に誕生した。村の大半を農地が占める日本屈指の稲作産地で今、外国人労働者への期待が高まりつつある。

 村の真西に位置する男鹿市五里合(いりあい)地区。田畑に囲まれた作業小屋で11月下旬、ベトナム人技能実習生4人がネギの出荷作業を黙々と続けていた。

 「日本農業 進歩してる」。9月に来日したグエン・ヴァン・ベンさん(26)が片言の日本語で笑った。収穫作業を担う日々にやりがいを感じ「ずっとここで働く」と言う。

 実習生の在留期間は最長でも5年に限られるが、国が導入を目指す新在留資格に移行すれば、通算10年まで延長できるようになる。

 「可能な限り長くいてほしい。在留期間を延ばせる新制度は追い風だ」。グエンさんら6人の実習生を受け入れる大潟村の有限会社「正八」の宮川正和社長(56)が期待を寄せる。

 正八は大潟村のほか男鹿市や秋田県藤里町などに所有する畑で野菜作りを展開する。かつて繁忙期を支えた村内外の期間雇用者は高齢化が進み、5年前から集まらなくなった。

 人手不足に耐え切れず、宮川さんは2016年に実習生の雇用に踏み切った。借り上げ住宅の家賃負担などが経営を圧迫するが、背に腹は代えられない。来春にはさらに3人を迎え入れる。「安い労働力なんてうそ。でも受け入れ人数を増やす以外に選択肢はない」

<専門人材育てる>

 コメの生産調整(減反)の廃止、低調な米価、読み切れない消費市場…。開村から稲作に力点を置く村は高収益が見込める野菜や花きの作付け拡大を目指す。だが、コメと比べて手間がかかる作物ということもあり、人手不足の影響で思うように進まない。

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最終更新:12/9(日) 10:00
河北新報

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