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婦人保護施設に母と入る子の対応を検討 JKビジネスも課題に〈厚労省〉

12/4(火) 9:57配信

福祉新聞

 厚労省は11月26日「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」(座長=堀千鶴子・城西国際大教授)の第5回会合を開き、今後の論点を中間的に整理した。婦人保護事業につながりにくい10代の女性や、婦人保護施設に入所する女性の同伴児(18歳未満)の支援のあり方が中心になる見込み。それに関連して、児童福祉法に基づく母子生活支援施設の位置付けも検討する。

 若年女性、同伴児については売春防止法に基づく婦人保護事業の対象者像や事業の基本理念、他法他施策との関係整理など、同事業の骨格に関わるだけに、同法の改正や新法の制定など法制上の措置は不可欠だ。ただし、厚労省は通知改正や予算措置で対応できるものはそれを待たずに取り組む方針だ。

 同日示した論点整理の案で厚労省は、いわゆるJKビジネスなど若年女性をめぐる問題は「これまで婦人保護事業の対象として想定されなかった」とし、同事業で支援する女性に携帯電話などの使用を制限する運用のあり方を見直す。性被害の未然防止の観点からも、必要な支援につながるよう改善する。

 未成年なので、親の同意なしに行政がかかわりを持つのが難しいという現実もある。都道府県に必置の婦人相談所に、児童相談所と同等の権限を持たせるよう求める声も同日の会合で上がった。

 婦人保護施設は単身女性が入所することが基本だが、同伴児の年間の延べ人数は近年、増えている。一方、その法的な位置付けがあいまいで、措置機関である婦人相談所の対応にバラツキがある。児童相談所の関わりも薄いのが現実だ。

 検討会は性犯罪防止や女性活躍をめぐる与党、政府の決定事項を踏まえ、今年7月に発足。今後の議論のスケジュールは未定だ。

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 「同伴児という言葉そのものが差別的だ」。西日本にある婦人保護施設の施設長は憤りを隠さない。DV被害による女性に子どもが同伴しても、施設内での養育や学習支援の体制が整わないからだ。

 自立に向けて働きに出たり、治療のため通院したりする母親に代わり、職員が未就学児を世話する場面は少なくないが「法的にはグレーゾーンだ。そもそも職員配置が少ないため、関わる時間を十分持てない。絵本を読み聞かせるのが精いっぱいだ」と明かす。

 婦人相談所から同伴児のいるケースの一時保護委託を受ける場合に、行政の幹部に増員を要望したところ、「一時保護は施設の本来業務ではない。無理なら断っていい」との回答。無力感を感じた施設長は、「子どものケアに関する明文化されたルールがないことが最大の問題だ」と訴える。

 通園・通学の機会を失い、施設内でも十分にケアされない「宙に浮いた同伴児」の問題はかねて指摘されてきたが、「売春防止法を改正せず、通知改正など継ぎ足しでしのいできた結果だ」とする見方が厚労省の検討会でも広がっている。

最終更新:12/4(火) 9:57
福祉新聞

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