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自動車関連の税制、抜本的見直し検討 今後どうなる?

12/4(火) 11:30配信

THE PAGE

クルマは「所有するもの」から「利用するもの」へ

 政府・与党が自動車関連の税制を抜本的に見直す方向で議論を開始しました。自動車関連の税は、日本の税制の中でも重要な位置を占めていますが、今後、自動車関連の税金はどうなるのでしょうか。

 現在、自動車に対しては、取得時にかかる自動車取得税(地方税)、車検時に重量に応じて徴収される自動車重量税(国税)、排気量に応じて毎年、徴収される自動車税(地方税)などがあります。このほかガソリンには揮発油税(国税)などが課せられています。自動車の購入、保有、利用の各段階で税金を徴収するということですから、基本的にはクルマを取得し、ガソリンを使ってクルマを動かすことを想定した税制といってよいでしょう。

 しかし、シェアリング・エコノミーが急速に発達してきたことで、クルマは所有するものから、利用するものへとその位置付けが変わりつつあります。自動車最大手のトヨタが、自社の販売店網を使ってカーシェアのサービスに乗り出そうとしているくらいですから、この流れは不可逆的となる可能性が高そうです。これまで主流だったガソリン車も、徐々にEV(電気自動車)などエコカーへのシフトが進んでいくと考えられます。

 こうした状況を受けて政府・与党では、所有ではなく利用を前提にした形で自動車関連税制を抜本的に見直す方針です。具体的な内容はこれから議論することになりますが、自動車税を大幅に変更し、排気量ではなく、走行距離や環境負担などによって税負担を変える仕組みなどが検討されています。

税制改正には多くの壁がある

 しかしながら、自動車関連税制の改正はそう簡単にはいかないと考えられます。走行距離を把握するためには、自動車の走行データを政府が管理する必要があり、プライバシーの保護といった観点から異論が出る可能性があります。また自動車関連税制は財政難の地方自治体にとっては命綱という面があり、税収が減る形になれば、かなりの反対意見が出てくる可能性があります。

 一方、自動車には多額の税金がかかり過ぎており、これが利用者の負担を大きくしているとして、自動車業界からは税負担を軽減して欲しいという要望も出ており、業界との調整も難航しそうです。

 いずれにせよ現行の税体系では時代に合わなくなることは明白ですから、議論を開始すること自体は悪い話ではありません。最終的には税収の維持なのか、税負担の軽減なのか、あるいは、所有から利用へのシフトを推進するのか、抑制するのかなど、自動車そのものの位置付けに関する議論になるのは必至です。自動車産業は日本の屋台骨ですから、しっかりとしたコンセンサスを得る必要があるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:12/4(火) 11:30
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