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橋の「ジョイント」はなくせるのか 走行時の「ゴツン、ゴツン」の原因、その役割とは

2018/12/4(火) 11:13配信

乗りものニュース

バイクにとっては怖い「ジョイント」

 橋をクルマで走行する際、「ゴツン、ゴツン」という音と振動を感じることが、今後少なくなっていくかもしれません。

【写真】ジョイントの撤去はこうやる

 この音と振動の原因は、橋の「ジョイント」部分。舗装のなかでジョイント部は金属などが露出しており、首都高速道路が実施したアンケートによると、二輪車のライダーからは「鋼製のジョイントが滑りそうで怖いと感じる」「雨天時のジョイント部でヒヤリとする」といった声もあるそうですが、近年、高速道路ではこれが撤去され、数を減らしています。

 ジョイントがあるのは一般的に、橋桁(はしげた)と橋桁のつなぎ目や、橋桁と岸(橋台)のあいだです。橋桁は温度変化などで伸び縮みするため、つなぎ目となる部分には少し隙間を空けなければなりません。多くの場合、ジョイント部はクシ形の部材どうしがかみ合うようになっており、橋桁が伸びれば隙間が狭まり、縮まれば隙間が広がります。これにより橋桁どうしが干渉することなく、構造を保っていられるのです。

 このように、ジョイントは橋の構造上必要な部分ですが、なぜ撤去が可能になったのでしょうか。阪神高速道路も2018年11月2日(金)から10日間にわたり、15号堺線と17号西大阪線を通行止めして行ったリニューアル工事で、数十か所のジョイントを撤去しています。同社に話を聞きました。

――なぜジョイントの撤去を進めているのでしょうか?

 ジョイントをなくすことで、走行車両の安全性や快適性の向上、騒音や振動の低減による道路周辺環境の改善が期待されます。また、ジョイントが損傷すると、漏水によって床版(しょうばん。道路の床板にあたり、舗装が載る部分)など内部の腐食につながることもあるので、撤去することにより構造物の長寿命化や耐震性の向上、ひいては維持管理の省力化も図られるのです。

すべての撤去はできない?

――どのようにジョイントをなくすのでしょうか?

 ジョイントを撤去し、隣の橋桁と床版どうしを連結する工法や、舗装の上層を連続化する工法などがあり、場所に応じて適用しています。

――それでもまだジョイントが残されているのはなぜでしょうか?

 ジョイントをなくせるのは、橋桁の種類(鋼製かコンクリート製か、など)が同じであることや、高さが同程度で、かつ直線であることなど、一定の条件においてです。

 それぞれの橋桁が長すぎないことも条件のひとつで、連結した橋桁全体の伸縮量を両端部のジョイントで吸収できるよう設計します。今回のリニューアル工事では最も長いところで、24mの橋の床版を連結し、48mの範囲でジョイントをなくしました。

※ ※ ※

 このような工事は「ノージョイント化」「ジョイントレス化」などと呼ばれ、NEXCOや首都高でも進んでいます。たとえば首都高では3号渋谷線や4号新宿線などでノージョイント化を進めており、道路からの騒音が約3デジベル減少した実績もあるとのこと。これは、交通量が半減したことに相当するといいます。また、なくせないジョイントにも一部、滑り止めを施すなどしているそうです。

 ちなみに、ジョイントそのものも進化しています。ある橋の設計者によると、技術開発により対応できる桁の伸縮量が増えているほか、より低騒音で、より長持ちするよう改善されてきたそうです。

乗りものニュース編集部

最終更新:2018/12/5(水) 14:13
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