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特養経営難、異例の入所者移送へ 職員退職、水道停止… 市が近く改善命令

12/4(火) 9:30配信

西日本新聞

 福岡県行橋市流末(りゅうまつ)の社会福祉法人「友愛会」が運営する特別養護老人ホームなど2施設で、複数の職員退職や、水道代の支払い遅延など運営に行き詰まったことが3日、分かった。市は同日、施設への水道供給を停止。計約30人の入所者の安全を図るため、市内の別の施設に近く移送する異例の対応を取る。法人には年内に、社会福祉法に基づく改善命令を出す方針。

 福祉施設の運営では、鹿児島県鹿屋市の住宅型有料老人ホーム「風の舞」で、待遇の不満から全介護職員が退職し、10月から11月半ばまでの約1カ月間に入所者6人が相次いで死亡した問題が発生。行橋市は今回、風の舞と似通った面があると認識した上で「施設運営が事実上困難」「入所者の安全を優先」と判断し、移送に踏み切る。

 市などによると、施設はともに市内の特別養護老人ホーム「今川河童(かっぱ)苑(えん)」と特定施設「いまがわ秋桜(こすもす)ガーデン」。法人は2014年10月に市の認可を受け、15年7月に両施設を開設した。部屋数は計58。

 関係者の話では、法人は、利用者を行橋市居住者に限定したことなどから経営が徐々に悪化。10月には、法人の事実上のオーナーの元行橋市議が急死したことも、運営に影響を与えた。数十人いた介護職員らのうち複数が給料支払いの遅れなどで退職しており、現在、数人の職員で入所者の世話をしているという。

 法人は10、11月分の2カ月分の水道代約40万円を延滞。市は11月30日までに支払いがない場合は供給を止めると通告していたが、支払いはなかった。これまでにも長期にわたる延滞があり、市は特別監査を行い、再三、改善勧告を出し、指導していたという。市は入所者の移送と同時に立ち入り調査し、経営状態を詳しく調べる。

 市幹部は「入居者のために、早急に移送を完了させたい」としている。今後は改善命令を経て、業務停止命令を出す可能性もあるという。

西日本新聞社

最終更新:12/4(火) 12:51
西日本新聞

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