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金融機関に求められる「ストック型」ビジネスモデルの構築 真の「顧客本位」に立脚できるか

12/4(火) 13:01配信

マネーの達人

半数が損失、ほぼ全員含み益?

金融庁が金融機関の投資信託販売における「顧客本位の業務運営」を客観的に評価できる共通の成果指標(KPI)を今年6月29日に発表しました。

それに合わせて、発表資料の別紙に掲載されていた金融庁の集計・分析結果が話題になったのは記憶に新しいことでしょう。

それは、「投信で損失、個人の半数」「銀行投信の個人客、半数が損失」といったニュースです。

このニュースは、基準日(2018年3月末)の一点のことであり、基準日時点で全部を売却してしまった銘柄が含まれないなどの点で、必ずしも実態を映しているとは言えない面もあると思いますが。

しかしながら、その一方で、独立系投資信託会社から購入し、基本的に長期投資した人は、ほぼ全員”含み益”が出ているという実態も明らかになりました。

「半数が損失」…
「ほぼ全員含み益」…

この大きな違いの原因はいったいどこにあるのでしょうか?

ここには販売会社のスタンスの違いが見え隠れしているように思います。

少々極端な言い方をすれば、いわゆる、【顧客本位】ではなく、【販売会社本位】【販売商品本位】の中で短期回転売買がなされていたかどうか? による違いとも言えると思います。

ストック型ビジネス フロー型ビジネス

そのような中、先日10月に、「国内大手銀行が投資信託の販売手法を見直し、業績の評価基準を新規販売額から”残高”に切り替える」という報道がありました。

この報道は、いよいよ、日本の金融機関も【ストック型】へのビジネスモデルへ梶を切ったということの表れでしょうか?

ちなみに、【ストック型】ビジネスモデルとは、ある一定の仕組みやインフラを作ることにより、継続的に収益が入ってくるビジネススタイルをいいます。

例えば、士業などの顧問契約や不動産の賃貸、携帯電話代、電気代、スポーツジム代など、ユーザー側から見れば、定期的に課金される仕組みのことです。(一方、【ストック型】に対しての【フロー型】ビジネスとは、その都度商品を販売したり、仕事を請け負うビジネスモデルのことをいいます)。

金融機関のビジネスモデルに当てはめれば、例えば投資信託を販売して短気で回転して、都度手数料収入を得ようとするのが【フロー型】、一方、投資信託の残高を貯めて行って、そこから発生する信託報酬を定期的に長期的に得ようとするのが【ストック型】と言ったところでしょうか。

確かに、今年7月の報道でも

「金融庁の2017事務年度の地銀に対するモニタリング結果において、目先の収益を優先し、実現可能性のある計画を策定していない地銀が目立ち、貸出先増加目標の達成率が長期にわたって1割未満の達成率にとどまったり、業績目標を達成した営業店が長年全くないなどの事例あり」

「長引く低金利下で地銀の収益環境は悪化しているが、金融庁は地銀の財務健全性はまだ維持されているとみている。同庁は、自己資本比率に余裕のある間に持続可能なビジネスモデルを構築するよう改めて求めた。」

などとありました。

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最終更新:12/4(火) 13:01
マネーの達人

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