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中国サッカーが「サラリーキャップ制度」導入 「金満時代」は終わるか

2018/12/4(火) 12:55配信

CNS(China News Service)

【CNS】さまざまな批判の中、中国サッカー協会がついに動いた。中国国内リーグでクラブチームが保有選手に支払う年俸総額の上限を定める給料制限、「サラリーキャップ制度」が来年から導入されることが、新華社(Xinhua)など各メディアの報道でわかった。これまで「金満時代」と言われ続けた中国サッカーにいよいよ終止符が打たれることになる。

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 サラリーキャップ制度は、選手に対する給料制限だけでなく「選手へのボーナス」「選手の移籍金」「スポンサーの投資額」これら4項目に対し過剰な出資を明確に抑制するというものだ。

 これによって来年以降、中国内のリーグにおいて、新参オーナーによるチームへの天文学的な資金投入や、弱小チームが急に強豪チームに「様変わり」するなどの状況が起こることはまずなくなる。また、選手の移籍市場で外国人選手獲得時の「爆買い」的な金満ぶりを発揮することも見られなくなるだろう。

 実際のところ、中国サッカー協会は長らくこの「金満」サッカーからの転換を目指していた。しかし、どのようにして「給料制限」をするのか。これは熟練を要する業務であり、財政面の透明性を示すものでなければ、この制度もただの絵空事になってしまう。

 では、この「サラリーキャップ制度」は中国サッカーの「救い」となれるのか。

 これは質問の合理性に反して、非常に難しい問題だ。なぜなら、もし経済的影響力のみでサッカーの勝敗が決まるのならば、世界サッカーのランキングは各国の経済や、選手の平均収入に比例すべきだからだ。

 しかし、中国サッカーにとって今回の制度は間違いなく「劇薬」になるだろう。

 中国男子サッカー代表は、2002年に初出場したワールドカップ(W杯)を最後に、アジアNo.1チームを決める大会「アジア杯(AFC Asian Cup)」では04年の決勝進出を最後に、以後はベスト8入りすら果たしていない。

 それから近年まで約15年間、中国サッカー市場は好調と低調の繰り返しだ。賭博・八百長問題が明らかになった時には、サッカー会場に閑古鳥が鳴いていた。かと思えば、5年間で80億元(約1300億円)市場の時期を迎えたこともある。しかし成績だけはどん底から抜け出せず、低迷を続ける中で、選手たちの収入のバランスの悪さだけ目立つようになった。

 中国女子バレーボールチームが16年のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得する前、代表選手らの収入は北京市、上海市、広州市(Guangzhou)など中国主要都市で働く労働者の平均給料よりも若干高い程度だったと言われている。現在、選手たちの待遇は以前より良くなったにせよ、年収が100万元(約1600万円)に達することなど、まずありえない。

 片や中国女子サッカー代表は、アジアトップレベルまで躍進し、「鋼鉄のバラ」という愛称でも呼ばれているほどの強豪チーム。それでも、ナショナルチーム経験者であっても、月給が1万元(約16万円)にも満たない時代があった。現在はいくらか収入は向上しているものの、数万元程度の月収である。

 しかし、男子サッカー代表はその成績やプレーを国民から非難され続けているにも関わらず、年収1000万元(約1億6000万円)クラスの選手が数多くいる。そして代表チームの待遇は、恐らくこれからも高額になっていくことは避けられない。

「サラリーキャップ制度」の導入は、現在の業界バブルを壊す以外に、これまで中国内での高額なサラリーのために海外でプレーすることを望まない選手が多かった中で、海外クラブに出てプレーしたいという選手の増加が期待されるなど、一定の効果を得ることはできるだろう。

 この中国の「金に糸目をつけない」サッカーは、自国のサッカーリーグ市場を盛り上げることはできたが、中国サッカーの環境を沈滞させてしまったのだ。だからこそ「サラリーキャップ制度」は必要だ。

 現在の中国サッカーは、あまりにも多くの負債と教訓を抱えている。もちろん今回の制度によって選手たちに貧しい思いをさせることはできないが、中国サッカーを健全に発展させていくためのルールは乱してはならない。(c)CNS/JCM/AFPBB News

※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。

最終更新:2018/12/4(火) 12:55
CNS(China News Service)

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