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国交省、パイロット飲酒対策会議 航空25社の社長出席、他社から学ぶ

12/5(水) 23:33配信

Aviation Wire

 国土交通省は12月5日、パイロットの飲酒問題についての対策会議を東京・霞が関の中央合同庁舎で開いた。国内の航空会社で飲酒トラブルが相次いだことによるもので、日本航空(JAL/JL、9201)の赤坂祐二社長や全日本空輸(ANA/NH)の平子裕志社長など、国内の航空25社の社長らが出席し、他社事例から学んだ。

◆政務官「信頼地に落ちかねない」

 対策会議には、国交省からは田中英之・国交政務官(衆院・京都4区、自民)や蝦名邦晴航空局長らが、航空25社からはJALとANAのほか、スカイマーク(SKY/BC)の市江正彦社長らも出席。各社は自社の取り組みを紹介しつつ、他社の取り組みを参考に、自社に足りない部分を、再発防止策に追加する。

 航空各社では、10月から11月にかけて、パイロットの飲酒が原因による遅延が4件発生した。田中政務官は会の冒頭、これらの事案について、「社会的な関心も高く、長年築き上げてきた航空輸送に対する信頼が地に落ちかねない」と懸念。「航空業界が人ごとではなく、業界一丸となって、飲酒事案の連鎖を断ち切ってもらいたい」と述べた。各社の代表には「飲酒事案の根絶に向け、社長が先頭に立ち、スピード感を持って措置を講じてもらいたい」と、注文を出した。

 対策会議は非公開で進められた。航空局の蝦名局長は航空各社に対し、管理強化の徹底と定着、持続の3点を指示。「何年か経つと緩んでしまう。継続するのが大事で、社長のトップマネジメントが重要」との認識を示した。

 このほか、米国や英国、ドイツなど他国の飲酒基準や、自動車や鉄道、船舶などの国内の航空以外の基準も紹介した。

◆評価高いピーチの取り組み

 各社の取り組みを紹介する前に、問題を起こしたJALの赤坂社長と、ANAの平子社長、スカイマークの市江社長が出席者に謝罪した。

 25社の飲酒対策は、大きく5つに分類される。社長や役員からの注意喚起、アルコール検知器を使用した検査、アルコール分解能力や飲酒量の目安を示すアルコール教育、カウンセリング、飲酒制限時間の拡大で、中でも飲酒制限時間は、従来の8時間から12時間前までに拡大する社が目立った。

 ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は、井上慎一CEO(最高経営責任者)を委員長とする「アルコール対策委員会」を立ち上げ、12月3日から全社的な対応を開始。対策委員会の下には、小委員会を2つ設けた。パイロットや整備、運航管理者など資格職向け小委員会は、安全統括管理者を委員長とし、ランプ(駐機場)内の車両運転者や一般社員向け小委員会は、人事統括本部長を委員長とする。

 国交省はピーチの事例について、アルコール対策委員会による全社的な取り組みは他社よりも内容が深く、井上CEOをトップとし対策できていると評価した。

Yusuke KOHASE

最終更新:12/5(水) 23:33
Aviation Wire

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