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「現状追認のお茶濁し」批判も 原子力損害賠償法が成立

12/5(水) 21:29配信

朝日新聞デジタル

 原発で重大な事故が起きた際の賠償制度を定めた改正原子力損害賠償法が5日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。東京電力福島第一原発事故による賠償額は8・6兆円に上るが、原発ごとに備えさせる上限額を1200億円のまま据え置き、国の責任など抜本的な見直しは見送られた。

 改正法では、事故時にすぐに被災者に仮払金を支払えるよう、国が電力会社に資金を貸し付ける制度を新たに設けた。電力業界や経団連は、事故を起こした電力会社の賠償について有限責任とするよう求めていたが、改正法は現状の無限責任を維持した。

 付帯決議では、今後の検討事項として、賠償に備える額の引き上げや、電力会社に融資する金融機関や株主による負担を求めることなどが盛り込まれた。野党側は、東電が賠償について国の仲介機関の和解案を拒否する事例が相次いでいることから、電力会社に和解案の受け入れを義務づける修正案を文教科学委員会に提出したが、否決された。

 福島の事故を受けて、政府は、原発事故時の国の責任などについて抜本的な見直しを検討してきた。本会議では、政府案について「現状追認のお茶濁しに過ぎない」(立憲民主党・杉尾秀哉氏)などと批判が出た。(小川裕介)

朝日新聞社

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