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ドコモの5G、AI、IoT技術が集結するイベント、ビッグサイトで開催

12/5(水) 20:37配信

Impress Watch

 NTTドコモは、5GやAI、IoTなどの最新の技術やサービスを紹介する大型のイベント「DOCOMO Open House 2018」を東京ビッグサイトで開催する。開催日は12月6日、7日で、展示は東7ホール、講演は東8ホール。近年ドコモが発表していた最新の取り組みのほとんどが集結しており、15のテーマが設けられ、合計で約240件もの展示を行う。参加は無料だが、事前登録制。イベント用アプリも配信されている。

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 「DOCOMO Open House 2018」は、基本的にはビジネスパートナーなどに向けて、最新の取り組みや事例を紹介するイベント。ドコモだけでなく、多くはさまざまなパートナー企業とのコラボレーションによる取り組みとして紹介されている。エンターテイメント向けの取り組みも含まれることから、一部はキャラクターを大々的にアピールするような華やかなブースやステージもあった。既存のLTEなどを活用するものや最新のサービスも多数展示されているが、5G関連は展示面積にして約半分程度を占めるなど、注力されている。

 以前は横須賀の研究開発施設で同種のイベントが開催されていたが、5Gの商用化が目前になった最近は、都内で開催されるようになっていた。来年にはプレサービスが開始されるというタイミングとなった今回は、大型のイベントとして、より具体的な事例とともに、見ごたえのある内容になっている。5日には報道関係社向けに内容が公開され、一部を取材できた。

□AIエージェント

 「AI」ゾーンでは、画像認識や自然対話プラットフォームなどさまざまなAI技術が紹介れている。これらは「AIエージェントAPI」を経由して、さまざまなパートナー企業が幅広くサービスに活用する。

 展示会場では、「声でチケット購入」として、鉄道の特急券の券売機を音声対話で利用できるシステムのデモが披露されている。具体的には、イーフローが開発した「発券機音声対話サービス」で、ドコモの「AIエージェントAPI」を活用する。購入したいきっぷの条件を(とりあえず)しゃべると応答があり、不足している項目があった場合は聞き返される。現在の自動発券機のような画面の複雑さや操作の多さを改善し、窓口で買うように簡単に買えることを目指したもので、将来的な製品イメージでは、受話器などを使うことで騒がしい環境でも音声認識率を高めることが可能という。

□人気声優を起用したAI合成音声ソリューション

 AI関連では、声優の声を基にして、AIが合成音声を作る「AI合成音声ソリューション」の取り組みも紹介されている。5日に会場内で開催された発表会では、「AIボイス&キャラクター ライセンスプロジェクト」が発表された。

 プロジェクトは2つ用意され、ひとつは群馬特使でもある声優・内田彩の声をAI合成音声として使う、群馬県の観光ガイドのキャラクター「ハルナ若葉」。群馬名物の上毛かるたを読み上げて、札にちなんだ観光地を紹介する。

 キャラクター・ハルナ若葉が読み上げる文章は、予め声優が収録したものではなくAIによる合成音声だが、合成音声の基になった声優が読み上げているかのような、自然な喋り方になっているのが特徴。発表会に登壇した内田彩も「私の普段の喋り方、クセ、声の抜ける形も再現していて、自分がしゃべっているのと区別がつかなくなるくらい」と驚いた様子を語っていた。

 もうひとつは、声優・金田朋子の声と、その夫で俳優の森渉の声を起用したAI育児支援ロボット「トモちゅん」。話かけに応じて、育児情報や離乳食レシピ、天気などの情報を音声で答え、子守歌(?)なども披露する。余談だが、独特過ぎる高い声が特徴の金田朋子は、発表会のステージで「トモちゅん」に話しかけてもスルーされるという事象を披露。機械には人間の声として認識されないというエピソードをまたひとつ増やしていた。

□トヨタの人型ロボットを5Gで遠隔操縦

 「5G Experience」ゾーンにある「5Gによるヒューマノイドロボットの遠隔操縦」では、トヨタが開発した人型ヒューマノイドロボット「T-HR3」を遠隔地(スカイツリー)から操縦する様子が披露されている。内容は11月30日に発表されたばかりのもの。このロボットは上半身の指先などにかかる力(トルク)を遠隔地の操縦者にフィードバックできる仕組みを搭載しており、5Gの低遅延な通信網を活用することで、繊細な操作を実現する。

 会場のデモでは、ロボットを遠隔操縦してブロックを積み重ねる、箱に片付けるといった動作が披露されたほか、ロボットに搭載されたカメラを目隠しして、手にかかるフィードバックだけを利用して迷路からゴールを探り当てるといったデモも披露されていた。

□メタマテリアル反射板

 「5G Experience」ゾーンにある「メタマテリアル反射板を用いたエリア最適化」は、ビル屋上の基地局の足元といった、建築物の“影”になって電波環境が悪い場所を、反射板で改善しようという技術。直進性の強い28GHz帯などで、エリア改善の解決策として期待されている。メタマテリアルは電波の反射方向をある程度任意に変更した上で製造でき、景観に配慮して設置場所に制約がある場合でも、エリア拡大を図れるとしている。将来的には、後から反射方向を変更できる反射板の製造も検討しているという。

 会場では、ビジュアライザを用いて、反射板によって電波が強まった範囲を映像と色で確認することもできる。

□手術室も丸ごとモバイル化、5G時代の遠隔高度医療

 「5G Experience」ゾーンの「5Gで実現する遠隔高度医療:モバイルSCOT」は、東京女子医科大学が開発しているスマート治療室「SCOT」の構想を紹介するもので、4K・3Dのカメラをはじめ(人体以外は)本物をブースに用意。それらの最先端の機器が取得する映像やデータを1画面に集約し、5Gの高速・低遅延な通信網を使って遠隔地でも確認できるようして、経験豊富な専門医師が手術中でもアドバイスできるようにする。

 また、手術を行える診療室自体もバスに収めるなど“モバイル化”を図り、被災地などに出動できるようにするという。これにより「モバイル診療室」と経験豊富な医師が対応する「モバイル戦略デスク」を実現、双方を5Gで接続することで遠隔高度医療を実現する。

□AVATAR MUSEUM

 「5G Solution」ゾーンにある「AVATAR MUSEUM」は、ANA、凸版印刷、東京大学とともに開発したもので、自分の分身となるアバターとしてカメラ付きのロボットを遠隔操縦し、離れた場所にある美術館や水族館を自由に楽しめるというもの。5Gの高速・低遅延な通信網を利用することで4K映像をリアルタイムに伝送でき、大画面を併用すれば、展示物をじっくりと鑑賞できる。

□ガラスアンテナ

 「ネットワーク」ゾーンにある「ガラスアンテナ」はドコモとAGCがビルのガラス窓に設置できるアンテナとして開発したもので、2018年11月に発表したもの。ビルに隣接する通りなど、屋外の電波環境を改善するためのアンテナで、オフィスフロアなどビル内部に向けたものではないが、アンテナ自体はガラス窓の内側に設置する。屋外でも特に景観が重視されるエリアでの活用を見込む。3.5GHz帯など比較的高い周波数帯もサポートする。AGCが開発した、後付のガラス二重化技術「アトッチ」を活用している。

□デバイス間協調動作「DEVICE CLUSTER」

 「デバイス・UI/UX」ゾーンにある「DEVICE CLUSTER」(デバイスクラスター)の展示は、「デバイスシェア」や「パブリックデバイス」との連携を実現するサービスプラットフォームで、サービスイメージのデモが披露されている。

 たとえばタブレットやVRヘッドセット、VRカメラといった端末を“デバイスシェア”で一時的に利用したい場合、近くのリーダーライターやタグなどにユーザーのスマートフォンをかざすだけで、安全に貸し借りが可能になる。

 また航空機の座席モニターなどセミプライベートスペースにあるデバイスも、ユーザーのスマホをかざすと、自身が契約している映像サービスを見られるといった連携が可能。

 さらに公共空間では、駅の改札に設置したディスプレイに、個人に最適化した情報を表示できる。たとえば目的地までのルート検索をした上で、駅の改札でスマホをかざすと、ディスプレイには改札を出てどちらに進むかといった情報が表示される。バス停でも、ルート検索をした上で案内板にかざすと、詳細な乗り場はどこなのかが表示される。

ケータイ Watch,太田 亮三

最終更新:12/5(水) 21:22
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