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【平成家族】「一家だんらん中心のCMは幻想」、社内の声で気づいた担当者 これまでの食卓像、一新したイオン

2018/12/5(水) 14:02配信

朝日新聞デジタル

共働き、平日は総菜も

 変わったのはCMだけではありません。売り場も大きく変わっています。

 イオンは、「夜市」を始める前は売れ残りを出さないように午後6時までには総菜などを売り切ることを優先させていました。主な客層が専業主婦だったからです。

 しかし、夜間の品ぞろえを充実させた夜市では、「夕食時」を過ぎてからも、子どもを抱いた会社帰りの人たちや単身者が売り場で品定めをしています。

 会社員の女性(33)は、2歳の女の子を抱いて午後7時半ごろ千葉県内のイオンを訪れました。共働きで、夫(34)は9時ごろ帰宅するので、女性は一人で家事を済ませます。

 結婚前は総菜を買うことはありませんでした。しかし、子どもをお風呂に入れて食事をさせて午後9時までに寝かせるためにとにかく時間がありません。平日に凝った料理をする手間はなく、夫婦で食べる分は総菜を買うようになりました。「なるべく手作りしたいけど、忙しいときには楽になります」と言います。

ファミマ「さばの塩焼き」が売れ筋

 コンビニもまた、家族のかたちの多様化に合わせた品ぞろえの工夫を凝らしています。

 ファミリーマートは、総菜と冷凍食品のブランド「お母さん食堂」を展開しています。コンセプトは「仕事と子育ての両立で忙しいお母さんが、子どもや家族に安心して食べさせられる食事」。食品の栄養面を気にする消費者もいますが、「塩分を抑えたり、カロリーを低く設定したりして調整している」と開発に携わったファミリーマートの菊地祐子さん(53)は説明します。

 売れ筋は、大きな骨を取り除いた「銀鮭の塩焼き」や「さばの塩焼き」です。市場調査では、健康志向の高まりから魚を食べたいと思う人は多いものの、家で調理するとグリルが汚れる、骨があって食べにくい、といった声がありました。高齢者でも手に取る人が増えているそうです。

「それぞれに合った食品が使える時代」

 菊地さんの母は専業主婦でした。母は料理が特別好きではありませんでしたが、手作りの料理が毎日の食卓に並んでいました。

 夕方になれば近所からも夕飯を作るにおいがしてきます。家族みんなでぎょうざや煮物を作るなど「家族だんらんの典型的な食風景でしたね」と振り返ります。

 そんな両親も今では「コンビニの中華弁当もおいしいね」と話します。コンビニのおにぎりやサンドイッチも食べているそうです。

 「手作りしたい人は作ればいいと思います。それぞれに合った食品が使える時代ではないでしょうか」と菊地さんは考えます。

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最終更新:2018/12/5(水) 14:18
朝日新聞デジタル

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