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日本代表のキャプテン篠山竜青「チームの成長を感じている」、“同僚”ファジーカスは「嗅覚がすごい」

12/5(水) 7:00配信

バスケットボールキング

「このワールドカップ予選で一番笛に苦しんだかなと……」

 試合後、そう口にしたのは男子日本代表のキャプテン・篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)。

 日本は12月3日に行われたカザフスタン代表との「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019 アジア地区 2次予選(Window5)」で審判の笛にアジャストできず、ファウルトラブルに悩まされた。司令塔の篠山は、本来であれば11月30日のカタール戦で足首を負傷した富樫勇樹(千葉ジェッツ)に代わり、ゲームの大半をコントロールしなければいけない立場だっただろう。しかし第1クォーター、第3クォーターでそれぞれ2つのファウルを取られ、第2、第4クォーターはベンチで戦況を見守った。さらには第4クォーター中盤、ここまでニック・ファジーカス(川崎)とともにインサイドを支えていた竹内譲次(アルバルク東京)、張本天傑(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)が立て続けに5ファウルで退場処分。それでも試合は、ファジーカスが41得点15リバウンドを記録する大活躍もあり、86-70で勝利を収めた。

 富樫には「(僕が)ケガしているのを知っているにも関わらず、すぐファウルをしてまって(笑)」とイジられた篠山だが、「前半、相手はプレッシャーに負けてミスをしてくれましたし、プレッシャーをかければいけるという感触はみんなにあったと思います。だからこそファウルを吹かれてしまったところはありました。それでも諦めずに『自分たちがやることはディフェンス』とみんなが共有できていた」と手応えを口にする。自身がファウルトラブルに陥り、ベンチで過ごす時間が長くなろうともキャプテンとして、ポイントガードとしてチームメートへの声かけは忘れていなかった。「ミスとかシュートが入らない展開もありましたが、ズレは作れていたしいいオフェンスはできているという声はかけていました。そういうところはタイムアウトの時に声をかけられる部分もあるのでやっていました」。

 また、「ニックのローポストは止められていなかったし、そこでの安心感はみんなあったと思います」とも話し「得点に対する嗅覚がすごいと感じます」と、ともに川崎でもプレーする同僚を手放しで褒めた。たしかにスタッツだけを見れば、ファジーカスの数字が抜きん出ているかもしれない。だが、日本に勢いを与えた馬場雄大(A東京)のダンク、それをお膳立てした篠山のアシスト、終盤に勝負を決める3ポイントを沈めた比江島慎(ブリスベン・ブレッツ)など、カザフスタン戦の勝利は選手一人ひとりの活躍があったからこそ。それだけ最終スコア以上に拮抗した展開が続いていた。

「僕もですしチーム全体として非常に苦しみましたけど、だからこそみんなでカバーして勝利できたことは個人的には嬉しいです。チームとしてすごく成長を感じています」

 ホームで2勝を手にした日本はアジア予選6連勝を飾り、ワールドカップ出場圏内となるグループFの3位に浮上。多くのメディアはこのような内容でWindow5の結果を伝えている。中には八村塁(ゴンザガ大学)と渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)が不在でも勝った――。と2人の名前を挙げる方もいるだろう。だが、日本のキャプテンは「どういう展開になろうとも目の前の試合に集中する」と強調し、こう話す。

「(フリオ)ラマス(ヘッドコーチ)に呼ばれて、記者の人たちはワールドカップに向けてとか、オリンピックに向けてとか、八村、渡邊のことなど色んなことを聞いてくるけど、目の前の試合に集中しなさいと釘を刺されました。なので自分たちは、これに勝ったら得失点差がどうとか、今何位とか、出場権とかをあまり考えずに、とにかく次のアウェイのイラン戦に集中するということ。予選突破が決まるまではそのことにフォーカスすることが大事かなと思っています」

 男子日本代表は最高の形で年内ラストマッチを締めくくった。約1年間のワールドカップ予選を戦い抜き、崖っぷちから確かな自信を手に入れた現在のチームであれば、2月に控える敵地での2連戦でも我々に勝利を届けてくれるだろう。

文=小沼克年

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