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奥能登で「あえのこと」

2018/12/5(水) 15:47配信

北國新聞社

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている農耕儀礼「あえのこと」が5日、奥能登各地で行われた。輪島市白米町(しろよねまち)では、公務員川口喜仙(よしのり)さん(54)が田から神様を自宅に招き、一年の実りに感謝した。

 午前9時すぎ、紋付き袴(はかま)姿の川口さんは自宅隣の棚田に向かった。お神酒、米、塩をまいてからくわを入れ、目が不自由とされる夫婦の神様をアテの葉に宿して自宅に迎えた。

 神様をこたつや風呂に案内した後、膳が用意された座敷に通し、「今年も田んぼを守っていただき、ありがとうございました。今年は空梅雨、酷暑、台風と天候不順が続きましたが昨年並みの収穫を得ることができました」と語りかけ、タイのお頭や煮物、おはぎ、どぶろくなど山海の幸でもてなした。

 川口さん方には金大、石川県立大などの留学生やスタッフ14人が見学に訪れた。ドイツと日本で育った金大大学院生のピーケンブロック智興(ともき)さん(25)は「神様を神社で参ることはあるが、自宅に招くのはおもてなしの心を感じた」と話した。

 来年2月9日には、神様を田に送り出す儀礼が行われ、豊作を祈願する。あえのことは国の重要無形民俗文化財にも指定されている。

北國新聞社

最終更新:2018/12/5(水) 15:47
北國新聞社

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