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ノーベル賞授賞式出席の本庶佑さん 研究所は多国籍集団「重要なのは多様性と国際的な環境」

12/6(木) 11:58配信

産経新聞

 ノーベル賞の授賞式を控える本庶佑(ほんじょ・たすく)・京都大特別教授(76)。がん治療薬「オプジーボ」の開発につながったタンパク質「PD-1」の発見などで数々の賞を受けた世界的研究者だが、研究室も外国人研究者が全体の半数以上を占める多国籍集団だ。本庶研だけでなく、京大全体でも同様の状況。世界的にも日本の学術論文の発表数は減少傾向が続き、多くの研究者が危機感を募らせる一方、意欲ある外国人研究者が京大の門をたたいている。(宇山友明)

 本庶さんの受賞が決まった10月1日、スウェーデン・カロリンスカ研究所が公表した1枚の写真。受賞の発表を受けた本庶さんが研究室メンバー十数人と笑顔で写っている。約半数は外国人だった。

 本庶さんは「多様性と国際的な環境が研究には大切だ」と常々話しており、本庶研の茶本健司特定准教授(40)は「新しい発見を導き出したり、豊かな発想を生み出したりするきっかけになると先生が考えているからだ」と説明する。

 本庶さんを除いた研究室のメンバーは研究者や学生の計22人。うち12人がアジアや中東計5カ国からの外国人で、研究者間の会話は全て英語で行う。所属には研究室内の審査に合格する必要があり、本庶さんは研究面での技術と人間性の両方を重視しているという。

 本庶さんの研究に興味があり、本庶研が第一志望だったオマーン人のアロハブシ・ムナさんは「先生は思いやりがあり、父親のような存在」と慕う半面、「研究では非常に真剣で挑戦的になり、最善を尽くすよう激励してくれる。私たちにとって厳しい評論家だ」と、世界的研究者の下で研究に励む意義を強調する。

 本庶さん自身、京大医学部2年から、日本の生化学分野の権威だった故早石修(はやいし・おさむ)・京大名誉教授の研究室に在籍。研究には国際的評価が必要との考えをたたき込まれ、海外留学は当たり前という早石研の雰囲気の中で米国で研究に没頭した。

 京大では本庶研以外にも、外国人研究者が半数以上を占める研究室が数多くある。日本人が1人だけでほかは全員外国人という研究室も珍しくないという。

 微小な穴を無数に持つ物質「多孔性金属錯体」を開発し、世界的に知られる北川進特別教授(67)の研究室も半数以上が外国人だ。北川研に在籍していた男性准教授(40)は「世界的に有名な研究者の下には、世界中から最先端の研究を目指し優秀な研究者が集まる」。 

 研究者が学会で会った優秀な外国人研究者をヘッドハンティングするケースなどもあるという。別の准教授(40)は「外国人研究者が京大で活躍してくれた実績があるからこそ、受け入れる京大研究者は多い。今では研究を進める上で欠かせない重要なパートナーだ」と話した。

最終更新:12/6(木) 11:58
産経新聞

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