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【平成家族】一人で老いる「没イチ」に子ができることは 妻に先立たれた元企業戦士、夕食時は繁華街に

12/6(木) 14:01配信

朝日新聞デジタル

 「人生100年」と言われるようになった平成時代、一人暮らしの高齢者が急速に増えています。かつてのような3世代同居が減るなか、伴侶を亡くした「没イチ」になることは、ひとごとではありません。老いて「孤食」とどう付き合っていくか、そんな親世代を子どもとしてどう支えるか、模索が続いています。(朝日新聞記者・高橋美佐子)

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妻が他界後、晩ご飯は外食

 とっぷりと日が暮れた11月の午後6時、神奈川・本厚木駅前。電車から降り、家路を急ぐ人波に従って信号を渡ると、まばゆい光が照らす飲食店街にたどりつく。定食屋に牛丼屋、ラーメン屋。軒を連ねる外食チェーンの店頭に掲げられた看板メニューの写真が、空腹を刺激する。

 ここは、厚木市内に住む三橋建一さん(79)が、ほぼ毎日、晩ご飯を食べている場所だ。週3回は、博士号を取得するために通う都内の大学院からの帰宅途中に直行し、それ以外の日は、駅から約5キロ離れた郊外の自宅からバスに乗ってやってくる。どの店に入るかは、前夜のメニューとだぶらないことと、その日に飲みたい酒の種類で決める。

 「晩酌は必ず。今の季節なんか熱かんがいいんだけど、日本酒を置いてある店が案外少なくて。あと同じ銘柄の生ビールが、こっちの店は1杯360円なのに、隣は460円ってことがある」

 生ビールの中ジョッキ1杯、もしくは日本酒1合を入れて総額1200円以内に抑えるように心がけている。毎日の出費なので、良心的な価格設定も、店選びの大事なポイントだ。

 三橋さんが外で晩ご飯を食べるようになったのは、1歳下の妻が他界し、一人暮らしになった2011年9月ごろからだ。

 朝からずっと家から出なかった日は、夕食メニューを注文するまで、たいてい誰とも話していない。注文を取りに来た店員に話しかけてみたりするが、主婦や学生のパートが多く、入れ替わりが激しい。「だから何年通っても親しくなれない。少しさみしいよね」と笑う。

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