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「顔に傷痕ある悪役が登場する映画には出資しない」 英国映画協会が偏見なくす取り組み

2018/12/6(木) 10:01配信

The Telegraph

【記者:Yohannes Lowe】
 顔に傷痕がある悪役が登場する映画へは今後、出資しない──英国映画協会(BFI)がこのほど発表した。同協会は、顔の傷や変形した顔に対する偏見をなくすための運動に参加している。

「スター・ウォーズ(Star Wars)」シリーズのダース・ベイダー(Darth Vader)から、『ライオン・キング(Lion King)』のスカー(Scar)まで、映画界は長年、顔に傷痕があるキャラクターを邪悪な存在として描いてきた。

 BFIは、テレグラフ紙が今年のクリスマスに推進する慈善活動の一つ、変形した顔を持つ人々の支援団体「チェンジング・フェース(Changing Faces)」によるキャンペーン「#IAmNotYourVillain(私はあなたの悪役ではない)」を支援している。

 BFIはこの運動を支援した最初の団体で、ハリウッド(Hollywood)の従来の美的基準から外れた、顔や体に傷痕や障害がある俳優たちをキャスティングすることで、社会的なスティグマ(負のレッテル)を率先して取り除こうと取り組んでいる。

 BFIの副会長、ベン・ロバーツ(Ben Roberts)氏は、「映画は、世の中に変化をもたらす触媒だ。だからこそ私たちは、BFIが出資する映画の中では、傷痕のある顔や変形した顔にネガティブな意味を持たせたくない」と述べている。

「この運動は、スクリーンに映し出されるものには意義を持たせるべきだ、というBFIの多様性に関する基準に直結している。私たちは、チェンジング・フェースの#IAmNotYourVillainを全面的に支援しており、映画業界もこの動きに続くよう呼び掛けたい」と述べた。

 これに合わせてBFIは、公開を控えた映画『ダーティー・ゴッド(原題:Dirty God)』への出資を決定した。同作は、ロンドン南部に住む女性が酸攻撃を受け、やがて人生を立て直していく過程を描いている。

 主役に抜てきされた新人女優のビッキー・ナイト(Vicky Knight)さんは、自身も重度のやけどから生還した経験がある。

 BFIの今回の決定は、最近発表した多様化への取り組みに基づいており、BFIはこの中で、障害のある人々が映画制作者の7%に達することを目標にしている。

 チェンジング・フェースは、BFIの決定を前向きな進展として評価している。

「映画業界は、多様性の表現について世の中に多大な影響力を持っているにもかかわらず、映画ではいまだに顔に傷痕があるか、顔が変形した人物を極悪非道な存在として安易に描くことが多すぎる」と、同団体のベッキー・ヒューイット(Becky Hewitt)代表は主張した。

「特に気掛かりなのは」「変形した顔への先入観を植え付けるような映画を見た子どもたちが、変形した顔にネガティブなイメージを持つようになることだ」と続けた。

 英BBCは先日、『エレファント・マン(The Elephant Man)』のリメーク版で、主人公のジョン・メリック(John Merrick)役に健常者の俳優チャーリー・ヒートン(Charlie Heaton)を起用し、批判を浴びた。

 人権団体は、このドラマはメリックを、自分の人生を一切コントロールできなかった犠牲者として描いており、さらに時代遅れの固定観念をいくつも踏襲していることから、反発を招くことは必至だと主張している。【翻訳編集】AFPBB News

「テレグラフ」とは:
1855年に創刊された「デーリー・テレグラフ」は英国を代表する朝刊紙で、1994年にはそのオンライン版「テレグラフ」を立ち上げました。「UK Consumer Website of the Year」、「Digital Publisher of the Year」、「National Newspaper of the Year」、「Columnist of the Year」など、多くの受賞歴があります。

最終更新:2018/12/6(木) 10:01
The Telegraph

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