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【特集】医療機関の倒産が増加、要因は歯科医院

12/6(木) 12:51配信

帝国データバンク

 2018年の医療機関(病院・診療所・歯科医院)の倒産(法的整理のみ)は、10月末時点で33件。このままのペースで推移すると、年間の倒産件数は40件前後となる見込みだ。2000年以降で見ると2009年(52件)、2007年(48件)に次ぐ水準になる可能性もあるのだが、その大きな要因は歯科医院の倒産件数急増にある。

医療機関の倒産を底上げ

 2000年から2017年までの歯科医院の倒産件数推移(グラフ参照)を見ると、最多だったのは2009年、2012年、2014年の各15件。昨年は10件と落ち着きを見せたが、今年は6月末時点で15件に達し、以後、毎月件数を更新してきた。10カ月間でこれまでの最高(15件)を約3割上回っていることは、病院、診療所の倒産が引き続き小康状態で推移するなか、2018年の医療業界を特徴づける最たる動向と言える。

関西以西に集中、北海道・東北はゼロ

 では、なぜここに来て歯科医院の倒産が増えているのか?その理由は断定できないものの、20件を分析すると、いくつかの傾向が見えてくる。1つ目は20件中13件(構成比65.0%)が個人経営、17件(同85.0%)が負債1億円未満と小規模事業者が大半を占めていること。倒産態様は18件(同90.0%)が「破産」を選択している。もう1つは所在地別の特徴だ。大阪府(5件)、福岡県(3件)など実に13件が関西以西に所在し、北海道および東北はゼロ。施設数は関東エリアに集中しているはずだが、同エリアの倒産は4件にとどまっている。

全国に6万8590施設

 厚生労働省によると、2018年8月末時点の歯科医院の施設数は全国に6万8590となり、2009年以降、6万8000件台で推移している。かつては駅から離れた住宅街に歯科医師夫婦で経営する個人医院をよく目にしたものだが、近年オープンする歯科医院は、競争激化の影響から“駅近”や“夜間診察”が共通のキーワードとなり、休日に家からではなく、通勤・通学途中に通えることをアピールポイントとしている。なかには、医療モール内にオープンして相乗効果を狙うケースもある。
 今後は、中小企業同様、高齢の経営者の施設を中心に、代替わりできない場合、清算・廃業できるか?がポイントとなるが、倒産減少の要素はこれといって見当たらず、増加傾向は今後も続くことが予想される。

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