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ボクシング「もう一人の井上」が1・26米国、激戦階級で世界初挑戦!

12/6(木) 5:00配信

THE PAGE

プロボクシングのWBO世界スーパーウェルター級3位の井上岳志(29、ワールドスポーツ)が来年1月26日(日本時間27日)、テキサス州ヒューストンでWBO世界同級王者のハイメ・ムンギア(22、メキシコ)に挑戦することが5日、都内の後楽園飯店で発表された。
 井上はOPBF東洋太平洋、WBOアジアパシフィックの同級王者で、返上した日本王座を含め3冠王者だった時期もあり、国内無敵のまま4月にはIBFの同級2位決定戦に勝ち世界ランキング入りしていた。14戦13勝(7KO)1分の無敗のまま初の世界挑戦チャンスを手にした。一方のムンギアは、すでに2度の防衛に成功している31勝(26KO)の無敗の強打者。米の有力プロモーターであるゴールデンプロモーションと提携し、“ポスト・カネロ”として期待のかかる若手の有望株だ。井上にとって難敵だが「弱いのをやって獲っても仕方がない。最後のチャンスのつもりで」とチャレンジャー魂でぶつかる。

かつて輪島功一氏が取ったミドルに並ぶ激戦階級への挑戦

 いつまでも「もう一人の井上」に甘んじているつもりはない。「ボクサーの井上です」と名乗って、WBA世界バンタム級王者、井上尚弥(大橋)と、勘違いされる世界からは、プロボクサーでいる以上、卒業したい。その絶好のチャンスが到来。井上にミドル級と並ぶ激戦区の世界戦が実現した。

「夢にまで見た世界タイトル。ワクワクしている。メイウェザー、パッキャオのいた階級だが、気後れはない。命をかけてやんなきゃいけない。ここからは自分の力を問われる。人に無理だと言われることを成し遂げてこそ意味がある」

 濃紺のスーツにネクタイを決めた井上は、ミスターコンテストばりの爽やかさで言った。

 スーパーウエルター級の世界王座はWBA、WBC統一王者だった“燃える男”輪島功一氏に代表されるかつての日本の伝統の階級。過去にWBAの工藤政志氏、WBAの三原正氏、WBA暫定の石田順裕氏と4人の王者を輩出してきた。

 だが、井上が語るように、フロイド・メイウェザー・ジュニア、マニー・パッキャオらが君臨した時代があり、現在も、WBA世界スーパー、IBFの2団体統一王者のジャレット・ハード(米国)が、ワイルダー対フォーリーのセミファイナルでKO勝利して左肩手術からの復活をアピール。そのリングにWBC世界同級王者、ジャーメル・チャーロ(米国)が上がって対戦を煽るなど、人気と実力を兼ね備えたボクサーがひしめく高レベルの激戦区になっている。

 この4月に野中悠樹(井岡弘樹ジム)とIBF同級2位決定戦を戦い、判定勝利して挑戦者決定戦への権利を手にした。だが、1位のジュリアン・ウィリアムズ(米国)との試合は、相手に振り回され一転、二転した。同時にWBO同級1位のデニス・ホーガン(豪州)との挑戦者決定話も舞い込んだが「帝拳の本田明彦会長に尽力していただいたおかげで」(齊田竜也会長)挑戦者決定戦ではなく、サプライズ的にWBO世界王者、ムンギアとの世界戦が電撃決定したのだ。これも運命。

 井上は齊田会長の駿台学園高―法大ボクシング部の後輩となる秘蔵っ子である。井上がボクシングを始めるきっかけとなったのは、尾間木中3年の4月。腕自慢の“ワルの転校生”から「おまえがたいがいいな」と喧嘩を売られトイレに連れ込まれた。井上の部活はサッカー部。フィジカルが強いのを理由にディフェンスをやらされていた。K-1など格闘技に興味はあったが、もちろん喧嘩などしたことはない。

 どういった経緯だったか、顔面パンチ無しの“特別ルール”での決闘のゴングが、その狭くて臭い場所で鳴った。

「ひたすらボディの殴り合い。殴っても殴られても血がたぎり興奮したんです。殴り合いとの運命的な出会いでした」
 授業開始のチャイムで決闘はドローとなったが「僕が押していました」。駿台学園進学と同時にボクシング部へ。主将を任され「3冠を取ればプロへ」と考えていたが、1冠しか取れず、今度はロンドン五輪出場を目指して法大に進んだ。

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最終更新:12/6(木) 6:48
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